◆FIFAワールドカップの日本対チュニジアの試合は21日の日曜日午後1時キックオフ。多くの人がテレビの前に釘付けになったことだろう。結果は日本代表の完勝。サッカーファンのお父さんには最高の父の日のプレゼントになったに違いない。
◆日本はチュニジアを圧倒したが、今大会で目立つのはアフリカ勢の存在感だ。モロッコはブラジルと引き分け、エジプトもまたベルギーとドロー。コンゴ民主共和国はポルトガルから勝ち点を奪い、初出場のカーボベルデはスペインを無得点に封じた。もちろん欧州勢は依然として強い。しかし、「欧州だから勝つ」という時代ではなくなっている。昔なら名前だけで相手を震え上がらせた強豪国も、いまやどの国からも本気で挑まれる存在だ。
◆株式市場でも似たような光景が広がっている。年初来の株価上昇率ではガーナが68%、ナイジェリアが50%超、チュニジアが40%近く上昇している。英国やドイツ、フランスの株価指数が数%台の上昇にとどまるなか、アフリカ市場の一部は驚くほど好調だ。サッカーと同じく、かつて脇役だった国々が主役級の成績を残している。
◆もちろん、ガーナ市場とドイツ市場では規模がまったく違う。ワールドカップでもアフリカ勢が優勝候補というわけではない。しかし大切なのは順位そのものではなく、変化の方向だろう。サッカーでも投資でも、以前は「その他」に分類されていた国々が急速に力をつけている。欧州が弱くなったというより、世界全体のレベルが上がっているのである。
◆ワールドカップで起きているのは「欧州の衰退」ではなく「世界の成長」である。アフリカやアジアの国々が強くなったからこそ、欧州との戦いが面白くなった。同じことは株式市場にも当てはまる。ガーナやエジプトの株価が上がることは、ドイツやフランスの没落を意味しない。世界のあちこちで新たな価値が生まれているということだ。国や地域ごとの浮き沈みはあっても、世界全体で見れば人類は昨日より豊かになり続けているのだから。それが僕の著書「株価はずっと上がるもの」の主題である。
