米ドル/円 今後も米利下げ見通しや日銀政策に関する思惑に左右され、総じて頭の重い展開か 週間予想レンジ:155.00~158.00

先週(6月10日週)は、155円台まで反落後高値圏にて推移

先週の米ドル/円は陽線を形成し、一旦155.72円まで反落したものの、その後大幅に切り返し、一旦158.27円をトライ、4月29日以来の高値を更新した。しかし、終値は157.35円と、高値圏にて推移。米消費者物価指数(CPI)、米連邦公開市場委員会(FOMC)、そして日銀金融政策決定会合などイベントが相次ぎ、米利上げ見通しや日銀政策に関する思惑に左右された1週間だった。

今週(6月17日週)は思惑次第、頭打ちのサインを点灯するか

また先週(6月10日週)と同様、思惑に値動きを左右されると思われる。ただし、先週の値動きと比較すると、今週は総じて頭の重い展開になる公算が高い。なぜなら、米ドルサイドではあくまで米金利の動向に左右されるが、米10年国債利回りが4月安値をトライしており、米ドル高を支持していない。円サイドでは、6月14日の日銀会合の結果として、7月の会合時に国債買い入れの減額について決定されることが提示され、これらが今後じわじわと円売りポジションの決済を迫る材料となってくるだろう。

テクニカル視点:5月高値更新の有無が焦点に

6月14日の米ドル/円の高値は、2024年最初の為替介入が行われた4月29日以来の高値を一旦更新していたものの、終値では逆に5月29日の終値を超えられずにいた。となると、一旦高値更新自体が「フォールス・ブレイクアウト」のサインとなりやすく、今週の頭打ちの可能性を暗示していたとみている。158円の節目を定着できなければ、米ドルの高値を追えないだろう。

言い換えれば、5月3日安値を起点とした上昇波動は、あくまで切り返しの一環として数え、また6月10日週の一旦高値更新をもって調整を完成させた可能性が大きい。6月10日週で安値だった155.72円を下回れば、頭打ちのサインを成立させ、さらなる反落の余地を拡大する公算が高い。円売りを、終わりの始まりと見なす動きになるのではないか

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 頭の重さが再度確認され、レンジ変動は継続か 週間予想レンジ:103.00~105.00

先週(6月10日週)は切り返したものの、かえって頭の重さを示唆

先週の豪ドル/円は週足では陽線を形成したものの、週足では「スパイクハイ」のサインを形成し、6月3日週の陰線と「インサイド」のサインを形成、かえって頭の重さを示唆した。言ってみれば、重要な抵抗ゾーンを再確認したわけだ。

今週(6月17日週)はレンジ変動の先行を有力視

豪ドル/円は6月4日に大きく反落、5月16日の安値を一旦割り込み、頭の重い展開となった。6月10日週は一旦切り返し、また6月4日の高値を一旦ブレイクしたように見えたが、上放れできなかった。これはほかならぬ、上放れの失敗を意味し、レンジ変動の先行が想定される。

テクニカル視点:「インサイド」の上放れ自体が「ダマシ」であれば、頭打ちの展開へ

6月4日の大陰線は、5月末の高値トライが失敗だったことを暗示していた。その後、6月11日まで「インサイド」のサインを形成、また6月12日に一旦上放れしたように見えたが、104.82円で留まった。

さらに、6月13日の小幅反落を経て、6月14日に一旦104.83円までトライしたものの、一転して反落、6月3日の陰線と「アウトサイド」のサインを形成した。総合的にみると、上値トライ自体が「フォールス・ブレイクアウト」となり、頭の重さを示唆した。そのため、レンジ変動へ逆戻りし、保ち合いの先行を有力視している。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成