【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 38,571.03 ▼115.29 (6/3)
NASDAQ: 16,828.67 △93.66 (6/3)
1.概況
米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は米ISM製造業景況感指数が市場予想を下回ったことで景気減速懸念が出て下落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が買われたことで上昇となりました。23ドル高でスタートしたダウ平均は直ぐにマイナスに転じると下げ幅を大きく広げ昼過ぎに439ドル安まで下落しました。その後は下げ渋ると持ち直しましたが、上値は重く結局115ドル安の38,571ドルで取引を終え反落となっています。一方でS&P500株価指数が5ポイント高の5,283ポイントと続伸となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も93ポイント高の16,828ポイントと4日ぶりに反発となりました。
2.経済指標等
5月の米ISM製造業景況感指数は48.7と前月から低下し市場予想も下回りました。4月の米建設支出も年率換算で前月比0.1%減となり市場予想を下回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が下げ、エネルギーが2%を超える下落となったほか、公益事業と資本財・サービスも1%以上下げています。一方で4業種が上げ、情報技術は1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではボーイング[BA]が4%近く上げたほか、メルク[MRK]も2%を超す上昇となりました。アマゾン・ドット・コム[AMZN]も1%以上上げ、マクドナルド[MCD]とセールスフォース[CRM]、アップル[AAPL]も1%近く上昇しています。一方でシェブロン[CVX]が3%近く下げ、ダウ[DOW]とトラベラーズ[TRV]、キャタピラー[CAT]、ホーム・デポ[HD]も2%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、エヌビディア[NVDA]が5%近く上げました。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が講演で、新しい人工知能(AI)向け半導体の投入計画を明らかにしたことで大幅高となりました。英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も今後5年でマイクロソフトのパソコン向け半導体でシェアの5割以上を占めることを目指していると伝わったことで5%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は5月の米ISM製造業景況感指数が悪化したことを受けて0.10%低い4.40%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ156円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場はダウ平均の反落と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)