米ドル/円 週間予想レンジ:149.00~152.00

メインストラテジー:高値トライがあっても一時的なものか

・日銀緩和政策の再確認で高値再更新の余地あり
・為替介入のリスクが高く、152円以上の高値を追えない展開か

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

先週の米ドル/円相場は大幅続伸し151.87円となり、年初来高値を更新した。2022年や2023年の高値とほぼ同じ水準に迫っただけに、今週一旦上値をブレイクし、大幅に上値余地を拡大してもおかしくないだろう。

先週の日銀の金融政策決定会合では緩和政策の継続を再確認、マイナス金利解除など政策に関して事前のリークがあったこともあり、かえって円売りの動きを強めた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は、ハト派のスタンスを示した。しかし、スイス当局の早期利下げでユーロ、英ポンドなど主要外貨の総崩れをもたらし、米ドル全体が一転して大きく買われた。

米ドル全体の切り返しがあった分、ユーロ、英ポンドなど外貨対米ドルだけでなく、対円でも反落し、結果的に米ドル/円の頭を押さえ込む影響を与えた模様。ただし、基本的には米ドルは強く、上値トライの機運が高まっている。

しかし、米ドル/円の152円台の打診があっても、それ以上の高値追いには距離を置いたほうが賢明だろう。なぜなら、当局による円安けん制や為替介入の可能性が高く、152円以上の円安を容認しない可能性が大きい。

さらに、ユーロ/円や英ポンド/円など主要クロス円は先週一旦高値を更新してから反落してきたところも大きい。早期利下げの思惑でユーロなど主要外貨の一段安があれば、金利差以上に買われた諸外貨の反落が円売りに歯止めをかけることが想定され、米ドル/円にも影響を及ぼすとみている。

もっとも、より大事な視点として、米ドル/円相場には8年サイクルという存在がある。高値から次の高値までを8年数える同サイクルが繰り返し検証された分、蓋然性が高いと思われる。2015年6月の高値から数える場合、2023年の高値をもってすでにトップアウトした公算が高い。

従って、2023年の高値に対するブレイクがあっても、それは一時に留まるだろう。あえて上値を追わないスタンスを取りたい。ここで「あえて」と強調したのも目先としては日足における諸サインが強く、3月21日の罫線が示した「スパイクロー」のサインが結局2月に形成された「インサイド」のサインに対する「上放れ」が確実であることを暗示しているためで、前述の日銀の為替介入や米ドル/円相場の8年サイクル論といった視点を無視する場合は足元の高値を追ってもいいと思われる。

この場合、155円などの上値ターゲットに照準を当てるだろう。とはいえ、今週は一旦様子見とし、結果次第でシナリオやスタンスを再考することが賢明だろう。8年サイクル論という見方が正しければ、今週は「意外」なサインの点灯があることも意識しておきたい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:97.50~99.50

メインストラテジー:ターゲット達成後の保ち合い

・100円心理大台達成で一旦横這い
・ブル構造を徐々に転換

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週一旦大きく続伸し、100円心理大台を一旦トライした。筆者はこれまで繰り返しこの同心理大台の打診について解説してきたが、大台の達成感から豪ドルのブル構造がこれからは弱まっていくとみている。

先週の日銀の金融政策決定会合後には、事前に日銀政策がリークされた分、円売りが盛んにみられた。一気に年初来高値を再更新、また100円心理大台をトライしたことは、やや「スピード違反」の疑いがあったものの、メインシナリオ通りの展開だったと言える。

しかし、その後豪ドル対米ドルの急落で豪ドル/円も大きく反落し、日足では大きな弱気サインを点灯している。これは他ならぬ、大台トライに失敗したサインでもあるため、軽視すべきではないと思う。

要するに、100円心理大台の打診は豪ドル/円の強気構造を構築する上での目標であり、また終点でもあり得る。これから弱気サインの否定を早期達成できない限り、これから豪ドル/円の上値を追うべきではないだろう。

当然のように、強気構造や変動は一気に修正されるわけではない。96.90円以下の大引けがなければ、当面は高値圏での保ち合いが継続されるだろう。ただし、日足における「宵の明星」に当たるサインと相まって、週足では典型的な「スパイクハイ」のサインを形成、かつ100円心理大台の達成が確認された直後だけに、上昇変動の一服や終焉には強く警戒しておきたい。

実際のところ、すでに豪日金利差以上大きく買われた豪ドル/円の上値を追う理論的な根拠はない。豪ドル対米ドルの軟調に鑑み、これからさらなる円売りの余地があるのであれば、米ドル/円の一段上昇に頼る、という要素もあるだろう。しかし、米ドル/円相場における8年サイクル論の視点で考えると、米ドル/円の大幅上値余地が示されておらず、そのため豪ドル/円の強気構造もそろそろ終焉のタイミングに差し掛かるのではないかと思う。今週は一旦様子見のスタンスで臨みたい。