東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続落となりました。305円安の39,792円で寄り付いた日経平均は直後に328円安の39,769円を付けましたが、徐々に持ち直すと10時20分前に58円安の40,039円まで下げ幅を縮め99円安の39,997円で前場を終えました。さらに下げ幅を縮め21円安の40,075円でスタートした後場の日経平均は14時過ぎにプラスに転じると14時20分前に50円高の40,147円まで上昇しましたが、伸び悩むと昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となり結局6円安の40,090円で取引を終えています。一方でTOPIXが上げたほか、新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

三井ハイテック(6966)が一時12.7%高となりました。電気自動車(EV)向けなど電機部品事業が想定通り推移したうえに、円安の効果もあり160億円とみていた2024年1月期の営業利益の見通しを181億円に上方修正したことで大幅高となりました。塩野義製薬(4507)も一時3.0%高となり昨年来高値を更新しました。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」について製造販売の通常承認を取得したと発表したことを好感した買いが続きました。調剤薬局大手のアインホールディングス(9627)も15.4%上昇しストップ高となりました。香港のアクティビスト(物言う投資家)のオアシス・マネジメントがアインホールディングスの株式を9.6%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書で判明したことで買いを集めました。中古車オークション最大手のユー・エス・エス(4732)も一時3.3%高となりました。1株を2株とする株式分割を発表したことで投資家層の拡大を期待した買いが入りました。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(2579)やスタンレー電気(6923)が高く、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスが一時9.6%高となり昨年来高値を更新したほか、スタンレー電気も一時7.1%高となりました。一方でiPhoneの販売が中国で減っていると伝わったことで昨日の米国市場で米アップル[AAPL]が3%近く下げたことからアップル関連の一角が安く、TDK(6762)が一時3.6%安となったほか、村田製作所(6981)も一時1.7%安となりました。さらにレーザーテック(6920)が投資判断の引き下げを受けて一時3.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は6円安となりました。利益確定の売りが出て昨日の米国市場が下落となったことで続落となり、一時は40,000円の大台を割り込み330円近く下げる場面もありました。しかし、昨日同様に40,000円を下回ったところでは押し目買いが入り下げ幅を縮めるとプラスとなる場面もありました。そのため40,000円を割り込んだところでの底堅さが意識されそうで、下げ渋ったことから先高観は依然として強いといえそうです。なお、今晩はイベントが盛り沢山です。日本時間の22時15分には2月のADP全米雇用リポートが発表されるほか、7日午前0時には1月の米雇用動態調査(JOLTS)が発表される予定です。また、同じく7日午前0時にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米下院金融サービス委員会で証言を行うほか、7日午前4時には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)