今週(2月9日~2月15日)の相場動向

相場回顧 BTC:上昇継続し、日本円建てで史上最高値を更新

ビットコインは米国で現物ETFへの資金流入が継続する中で堅調に推移した。BTC=735万円(49,000ドル)付近で上値が重くなる場面もみられたが、12日にはナスダック総合指数が過去最高値を一時上回るなど米国株の強い値動きを受けてBTC=750万円(50,000ドル)付近まで価格を伸ばした。

13日に発表された米1月CPI(消費者物価指数)は市場予想を上回る伸びとなり、早期利下げ観測が後退して米国株とともに下落した。しかし、イエレン財務長官ら当局者からインフレ減速を評価する声も上がり、下落直後には買い戻しが強まった。その後、ブラックロックの現物ETF【IBIT】の運用資産が10万BTCを突破したことが伝わり、14日にはBTC=780万円(52,000ドル)を突破した。日本円建てでは円安進行の影響もあり2021年11月に記録した史上最高値を更新した。

来週(2月16日~2月22日)の相場予想

BTCは米国株次第で上昇継続に期待だが、反動売りにも警戒が必要か

米国経済について楽観的な見通しが広がる中、米国株の伸び次第ではビットコインも上昇が継続する可能性が高い。逆に米国株が停滞もしくは下落するようであればビットコインも上値が重くなるだろう。

メディアでは米国の利下げ時期ばかりが注目されているが、当局では量的引き締め(QT)の緩和に向けた議論も始まりつつある。今でもコロナ禍で膨らんだ大量のお金が市場で滞留しており、ETFによって蛇口が拡大した分、リスクオンの際にはビットコインに資金が向かいやすい。また日本でも日経平均株価がバブル後の高値を更新し、投資家が余剰資金の一部でビットコインへ投資する動きが増えることも予想される。

一方、ビットコインが日本円建てで史上最高値を更新し、次は米ドル建ての史上最高値の更新が意識されるが、そこまで上昇するためにはETF以外の新しい好材料が必要になるだろう。ややスピード違反で急上昇しているため、反動売りには警戒が必要である。

直近、上値として現在の価格に近いBTC=795万円(53,000ドル)、下値として上昇前の高値付近であるBTC=750万円(50,000ドル)を意識する。