【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,797.38  △125.69 (2/12)
NASDAQ: 15,942.55  ▼48.12 (2/12)

1.概況

先週末の米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は利益確定の売りに押されて4日ぶりに反落となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が買われたことで4日続伸となりました。5ドル高でスタートしたダウ平均は寄り付きをほぼ高値に伸び悩むと売りが優勢となり昼過ぎに158ドル安まで下げ幅を広げましたが、その後下げ渋ると取引終盤には前日終値近辺まで持ち直しました。しかし、戻し切れないと引けにかけてやや下げ幅を広げ結局54ドル安の38,671ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数は28ポイント高の5,026ポイントとなり、初めて5,000ポイントの大台に乗せ上場来高値を連日で更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も196ポイント高の15,990ポイントとなり連日で昨年来高値を更新しています。

昨日の米国市場も高安まちまちとなりました。ダウ平均は経済がソフトランディングに向かうとの期待から反発となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株に利益確定の売りが出て5日ぶりに反落となりました。14ドル安でスタートしたダウ平均は直後に42ドル安まで下落しました。しかし、下げ渋ると持ち直し上げ幅を広げ昼過ぎには255ドル高まで上昇しました。その後伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局125ドル高の38,797ドルで取引を終え、8日に付けた史上最高値(38,726ドル)を更新しています。一方でS&P500株価指数は4ポイント安の5,021ポイントとなりました。また、ナスダック総合株価指数も48ポイント安の15,942ポイントとなりましたが、取引時間中には16,080ポイントを付け2021年11月に付けた史上最高値(16,057ポイント)を上回る場面もありました。

2.経済指標等

昨日に発表となった1月の米財政収支は220億ドルの赤字となりました。

3.業種別動向

先週末の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービス、公益事業などの8業種が上げ、情報技術が1%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも1%近く上げました。一方でエネルギーや生活必需品、ヘルスケアの3業種が下げ、エネルギーは1%を超える下落となりました。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、公益事業とエネルギーが1%以上上昇しました。一方で情報技術や不動産などの4業種が下げています。

4.個別銘柄動向

先週末の米国市場でダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が2%近く上げたほか、マイクロソフト[MSFT]とIBM[IBM]も1%以上上昇しました。一方でシェブロン[CVX]とウォルト・ディズニー[DIS]が2%近く下げ、キャタピラー[CAT]とウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、アムジェン[AMGN]も1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が堅調でグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とアマゾン・ドット・コム[AMZN]、テスラ[TSLA]が2%を超える上昇となりました。また、半導体関連株も高く、半導体株ではエヌビディア[NVDA]が3%を上回る上昇となり、クアルコム[QCOM]とアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も2%近く上げています。半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]が7%近く上昇し、KLA[KLAC]も5%余り上げています。

昨日の米国市場ではナイキ[NKE]とゴールドマン・サックス[GS]が2%以上上げたほか、スリーエム[MMM]も2%近く上昇しています。また、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]とインテル[INTC]、ダウ[DOW]、キャタピラー[CAT]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、アムジェン[AMGN]も1%以上上げています。一方でセールスフォース[CRM]とマイクロソフト[MSFT]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算を好感した買いが続き英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が29%を上回る上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%高4.17%となりました。
昨日の長期金利は0.01%高い4.18%となりました。ドル円は149円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場でダウ平均が史上最高値を更新したほか、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数も9日と12日の2日間トータルでは上昇となり、S&P500株価指数は9日に初めて5,000ポイントの大台に乗せ史上最高値を更新していることから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が上げ幅を広げ節目の37,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)