堅調な米国株、主要3指数は軒並み続伸
米国株の堅調が続いています。先週は週間ベースで、ダウ平均が1.43%高、S&P500が1.38%高、ナスダックが1.12%高となり、主要3指数が揃って続伸となりました。
投資家の不安心理を示すVIX指数は、2024年に入って13台で安定推移が続いています。このVIX指数は恐怖指数とも言われ、S&P500のオプションの価格を基に計算された指数です。期近と期先など、すべての銘柄の価格を用いて計算されています。
通常、株式市場が安定していると10~20の範囲内で推移すると言われ、20を超えると不安心理が高まっていると解釈します。株価急落時に不安心理が高まり、突然、大きく上昇する性質があります。株価の下落に備えて、プットオプションの買いが増えるからです。
S&P500とVIX指数の推移から予想する今後の動き
下の図表はS&P500とVIX指数の推移です。VIX指数を13週移動平均線が中心線のボリンジャーバンドでみると、現在興味深い状況にあります。
ここではボリンジャーバンドの詳しい説明は割愛しますが、バンドの上限をプラス2シグマ、バンドの下限をマイナス2シグマと言います。
値動きに応じてバンドは縮小(ボラティリティの低下)と拡大(ボラティリティの増加)を繰り返します。ボラティリティの低下はボラティリティの増加を生む、ボラティリティの増加はボラティリティの低下を生むのです。それを踏まえて現状をみると、バンドが極端に縮小しているのがわかります。
具体的に数字でみると、先週末は2.4まで縮小しました。これは2020年1月中旬の2.4以来の小ささとなります。新型コロナショックで株式市場が大きく急落する少し前の局面で、3月の急落によって一時66まで上昇する展開に繋がりました。
それ以外の局面でも、2017年12月中旬に2.9、2018年9月後半に3.4まで縮小した後、拡大していった経緯があります。2021年以降では5.5~6.0が最低ですが、直後の拡大局面は株価に大きな変動が生じたことがわかります。
一般的には、株価急落→プットオプションの買い→VIX指数の上昇→バンド拡大という波及経路になります。2021年12月のようにバンド拡大が必ずしも株価下落によるものとは限りませんが、足元でここまでバンドが縮小していることから逆算すると、バンド拡大局面はそれほど遠くないタイミングで到来することが予想されます。