3月の日経平均は前月比4.1%安、TOPIXは同0.9%安
3月相場はやはり大きく動きました。値幅率(月間の高値と安値の間にどのぐらいの値幅が生じたか)をみると、3月の日経平均は7.5%、TOPIXは7.7%となりました。
1985~2024年までの過去40年間、TOPIXの3月の値幅率は平均で9%と、年間では最もよく動く「月」となる傾向が見て取れます。今回は3月の平均である9%には至りませんでしたが、過去40年間の値幅率の全平均である7.4%を超えました。
さて、3月の日経平均は前月比4.1%安、TOPIXは同0.9%安と下落率に大きな差が生じましたが、特に値崩れ感の強い日経平均の株価位置を確認してみたいと思います。
買いか売りかの判断は長期トレンドの方向に支配されることが多い
3月は月足の24ヶ月移動平均線(36,078円、2025年3月31日時点)を割り込んで終えました。直近で24ヶ月移動平均線を割り込んだのは、まだ記憶に新しい日本株全体が大きく崩れた2024年の8月でした。当時は月の前半に急落し、月末に向けて持ち直したことで、月足は極端に長い下ヒゲのローソク足となりました。つまり、割り込んだといっても一時的であり、十分過ぎるほど戻して終える結果となりました。
一方、2025年3月の月足ローソク足は月末の1,500円安のせいで、ほぼ安値引けの陰線を形成しました。24ヶ月移動平均線を割り込む、やや不格好な足型に見え、4月以降の値動きに不安を残す格好となりました。
急落局面でいつも述べることですが、下げた理由や外部環境に重きを置くのもよいが、重要な点は長期トレンドが現在どの方向を向いているかということです。予想されていたFRB(連邦準備制度理事会)による政策金利の引き上げによって1,000ドル下げるケースと、トランプ警戒で下げた1,000ドルは、定性的な受け止め方は異なりますが、定量的には同じです。下げる相場に対して、買いか売りかの判断は長期トレンドの方向に支配されることが多い、という相場の考え方に重きを置くべきなのです。
上向きが続く、4月相場に期待
例えば、3月の24ヶ月移動平均線は上向きで推移していました。4月も上向きが続くでしょう。24ヶ月移動平均線を計算する期間(24ヶ月間)の中でいちばん古い月の株価水準は28,800円程度なので、4月相場でそこを下回るまで下落しない限り、24ヶ月移動平均線は下向きに変化することはありません。
先に考えなければならないシナリオ前提は、株価が上向きの移動平均線を下回った場合はまもなく反発することが多いという、株価と移動平均線のある1つの関係性です。その関係が機能するかどうかはケースバイケースの側面もありますが、ぜひ、2024年8月相場の経験則が売り渋りや押し目買いの行動につながったと言える4月相場の展開に期待したいところです。