今週(1月12日~18日)の相場動向
相場回顧 BTC:現物ETFへの過度な期待が後退し上昇一服
ビットコインは、米国におけるビットコイン現物ETFの取引初日が40億ドルを超える歴史的な出来高スタートとなり、一時BTC=725万円(49,000ドル)付近まで上昇した。
現物ETFの承認から取引開始にかけてはビットコインの出来高も日次で約500億ドルまで急増した。しかし、その後は事実売りが意識されてBTC=622万円(42,000ドル)付近まで急落した。
ブラックロックとフィデリティのETFへ大きな資金が流入した一方で、グレースケールのETFからは手数料の高さを理由に乗り換える動きが相次いだ。これを受けてETFによる資金流入への過度な期待が後退し、ビットコインは上昇の勢いが一服した。
ウォラーFRB理事が利下げに対して慎重な見方を示したことや、米12月小売売上高が市場予想を上回る内容となったことで早期利下げ観測が後退し、米国金利が上昇した。その中、米国株とともに軟調に推移する場面もみられたが底堅く推移した。
SOL(ソラナ)が関連トークンのエアドロップ(無償配布)に関する好材料を受けて強い値動きとなったことも相場を支えた。
来週(1月19日~1月25日)の相場予想
BTCは現物ETFの純流入が継続した場合に堅調さを取り戻すか
米国では当局者発言や経済指標を受けて早期利下げ観測が後退し、再び金利が上昇している。このまま米国金利の水準が高止まりするならば、株式も暗号資産も上値を抑えられる可能性がある。
来週もPCE指数の発表を控えており、消費の堅調さを示す内容となった場合には同様に売りが強まることが考えられるだろう。FOMC(米連邦公開市場委員会)に先行して開催されるECB(欧州中銀)理事会での金融政策の見通しにも注目したい。
米国ではビットコイン現物ETFの取引がスタートした。イベント通過後にはビットコインの売りが強まったものの、ETFへの資金流入が続いていることもあり、下げ幅が限定的となっている。
ETF間の競争も起こる中、全体で見た時に来週も新規マネーの純流入が優勢となった場合にはビットコインが再び上昇に向かうことは考えられる。一方、それが一段落した後にはさらなる調整売りが入る可能性にも注意したい。また、SOL(ソラナ)などアルトコイン物色の動向には引き続き注目である。
直近、上値として現物ETF承認後に記録したBTC=725万円(49,000ドル)、下値として年始の急落で記録したBTC=607万円(41,000ドル)を意識する。