【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,266.67  ▼94.45 (1/17)
NASDAQ: 14,855.62  ▼88.73 (1/17)

1.概況

米国市場は米小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで早期の利下げ期待が後退し続落となりました。79ドル安でスタートしたダウ平均は直後に170ドル安まで下落した後持ち直すと昼前にプラスに転じました。しかし、10ドル高で伸び悩むと再びマイナスに転じ午後に入り下げ幅を広げ228ドル安まで下落しました。その後は下げ渋ると引けにかけて持ち直しましたが、上値は重く結局94ドル安の37,266ドルで取引を終え3日続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も88ポイント安の14,855ポイントと続落となりました。

2.経済指標等

12月の米小売売上高は前月比0.6%増となり市場予想を上回りました。1月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数も44と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、12月の米輸入物価指数も前月比横ばいとなり市場予想を上回りましたが、12月の米輸出物価指数は前月比0.9%低下し市場予想を下回りました。12月の米鉱工業生産指数も前月比0.1%上昇し市場予想を上回りましたが、設備稼働率は前月から横ばいの78.6%となり市場予想を下回りました。11月の米企業在庫は前月比0.1%減となり市場予想と一致しています。さらに米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備理事会(FRB)は、経済活動は大半の地区で前回2023年11月の報告時点から「わずかに変化、または変化なしだった」としています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産が2%近く下落したほか、公益事業も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が3%余り下落したほか、キャタピラー[CAT]とウォルト・ディズニー[DIS]も3%近く下げました。また、インテル[INTC]も2%以上下落し、スリーエム[MMM]とダウ[DOW]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]も1%以上下げています。一方でボーイング[BA]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、欧州の複数国で一部車種を値下げしたテスラ[TSLA]が採算悪化を懸念した売りで2%近く下落しました。新興電気自動車(EV)のリビアン・オートモーティブ・インク[RIVN]も投資判断と目標株価の引き下げを受けて6%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで早期の利下げ期待が後退し0.04%高い4.10%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場は下落となったものの、ドル円が148円台前半まで円安に振れていることから本日の日本市場は堅調なスタートが予想されます。短期的な過熱感があるなかで日経平均が一日を通して堅調さを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)