今週(12月29日~1月4日)の相場動向
相場回顧 BTC:年末年始はETF期待で一喜一憂
ビットコインは、年末で取引参加者が減る中、BTC=600万円(42,500ドル)付近でもみ合いの展開となった。米国ではビットコインの現物ETFに関してブラックロックやヴァンエックなどが修正版の申請書を年内最後に提出し、一部の指定参加者でJPモルガンやジェーンストリートなどが選ばれたことが話題になった。
これを受けて年初にETFが承認されるとの期待がSNSを中心に高まり、年が明けた2日にはグレースケールの修正提出も好感されてBTC=644万円(45,500ドル)付近まで急上昇した。その後、マトリックスポートがETF非承認の可能性を指摘するレポートを発表したことで過度な期待が後退し、3日にはBTC=600万円(42,500ドル)付近まで急落し上昇分を打ち消した。
年初の米国株式市場がハイテク株を中心に下落スタートとなったことも相場を押し下げた。しかし、4日の米国時間に入るとアナリストやメディアなどのコメントを受けてETF承認への期待が再燃し、買いが強まった。
来週(1月5日~11日)の相場予想
BTCは米国の現物ETF承認で上昇なるか、下落しても絶好の買い場と予想
昨年12月会合のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨では、2024年内に利下げが開始されるとの認識が示された一方で、その時期や経済見通しについては不確実性が高いとの認識も示された。今後は米雇用統計(5日発表)や米消費者物価指数(11日発表)など経済指標によって利下げ開始時期の予測が前後し、利下げ観測が高まった場合は買い、後退した場合は売りが強まることが予想される。
また米国のビットコイン現物ETFについては1月10日前後にSEC(米証券取引委員)が承認するのではないかとの期待が高まっている。実際に承認された場合、短期的に買いが強まるとの予想が優勢だが、イベント通過後の売りを警戒する声もある。
昨年末にかけてETF承認への期待から急ピッチで上昇してきたため、審査延期や調整売りで一斉に期待が剥落し、20%前後の急落が起こる可能性はある。しかし、現物ETFが年内に承認されるとの見通しは変わっておらず、調整時は中長期的な絶好の買い場になりうるため、目先の値動きに動揺しないよう注意したい。
直近上値として2022年3月高値付近であるBTC=679万円(48,000ドル)、下値として節目であるBTC=566万円(40,000ドル)を意識する。