【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 37,404.35  △322.35 (12/21)
NASDAQ: 14,963.87  △185.92 (12/21)

1.概況

米国市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が重視する個人消費支出(PCE)物価指数が下方修正されたことで2024年の利下げ期待が改めて高まったことや、マイクロン・テクノロジー[MU]の好決算を受けて半導体株が買われたことから反発しました。143ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に326ドル高まで上昇した後伸び悩むと昼過ぎに45ドル高まで上げ幅を縮めましたが、取引終盤に持ち直すと引け間際に336ドル高まで上昇し結局322ドル高の37,404ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も185ポイント高の14,963ポイントとなっています。

2.経済指標等

12月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数はマイナス10.5と前月から低下し市場予想も下回りました。7-9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値も年率換算で前期比4.9%増と改定値の5.2%増から下方修正され市場予想を下回りました。また、GDP確定値にあわせて発表された7-9月期の個人消費支出(PCE)物価指数でエネルギーと食品を除くコア指数は前期比年率2.0%上昇と前回の2.3%上昇から下方修正されています。さらに11月の米景気先行指標総合指数も前月比0.5%低下し市場予想を下回っています。一方で先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2000件増の20万5000件となりましたが市場予想ほど悪化しませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも一般消費財・サービスとヘルスケア、コミュニケーション・サービス、情報技術、素材、資本財・サービスが1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシスコシステムズ[CSCO]とアップル[AAPL]を除く28銘柄が上げました。そのなかでもインテル[INTC]が3%近く上昇し、セールスフォース[CRM]とウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、アメリカン・エキスプレス[AXP]も2%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、マイクロン・テクノロジーが決算で売上高が市場予想を上回ったことなどで8%を超える上昇となりました。また、他の半導体株にも買いが波及し、ウエスタン・デジタル[WDC]が6%高となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も3%以上上げました。エヌビディア[NVDA]も2%近く上昇しています。さらに決算が市場予想を上回ったことでクルーズ船のカーニバル[CCL]が6%余り上げたほか、他のクルーズ船株にも買いが広がりロイヤル・カリビアン・グループ[RCL]とノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]も5%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.05%高い3.89%となりました。ドル円は142円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)