【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 35,416.98  △83.51 (11/28)
NASDAQ: 14,281.76  △40.73 (11/28)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事が現在の金融政策が「適切な状態にあるとの確信を深めつつある」との見方を示したことで利上げ局面が終了するとの期待が一段と強まり反発しました。1ドル安とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に前日終値を挟んで小幅にもみ合った後買いが優勢になると昼前に185ドル高まで上昇しましたが、その後伸び悩むと午後には前日終値近辺まで上げ幅を縮める場面もありました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し結局83ドル高の35,416ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も40ポイント高の14,281ポイントと3日ぶりに反発となりました。

2.経済指標等

11月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数102.0と前月から上昇し市場予想も上回りました。また、9月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比3.9%上昇となりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや不動産、生活必需品、コミュニケーション・サービスなどの8業種が上げました。一方でヘルスケアと資本財・サービス、金融の3業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではスリーエム[MMM]とボーイング[BA]、ウォルマート[WMT]、ダウ[DOW]、マイクロソフト[MSFT]が1%以上上げ、アメリカン・エキスプレス[AXP]も1%近く上昇しました。一方でウォルト・ディズニー[DIS]が3%近く下げ、メルク[MRK]も1%以上下落しました。トラベラーズ[TRV]も1%近く下げています。ダウ平均構成銘柄以外では長期金利の低下を受けて主力ハイテク株の一角堅調で、テスラ[TSLA]が4%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も1%以上上げています。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジー[MU]は9-11月期の売上高見通しを上方修正したものの材料出尽くしとなり2%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事の発言を受け米利上げ局面が終了したとの見方が強まり0.07%低い4.32%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ147円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円高が重石となり下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)