モトリーフール米国本社 – 2026年2月3日 投稿記事より

アップルは好調な決算を発表しているにもかかわらず、2025年の株価パフォーマンスはS&P500を下回る

2025年のアップル[AAPL]の株価は約8%上昇したものの、S&P500種指数を下回り、他のテクノロジー企業が達成した2桁、あるいは3桁の上昇率には及びませんでした。テクノロジー投資家が人工知能(AI)関連株を求める中、AIの開発や活用の最前線に立っていなかったアップルは、投資対象から外されることが多かったのです。

しかし、こうした株価の低調なパフォーマンスは、アップルの最近の業績を反映しているとは言えないでしょう。iPhoneやMacなどの主要デバイスを手がける同社は、長年にわたって目覚ましい成長を遂げてきました。そして直近四半期には、売上高および1株当たり利益(EPS)はいずれも過去最高を記録し、同社が長年にわたる業界の勝者であることを改めて裏付けました。

ここで浮上するのが、「アップルの爆発的な成長は今後も続くのか」という疑問です。この問いに答える手がかりとなるのが、多くの人が見落としがちなある指標なのです。

アップルの最大の強み

まず、アップルの最近の歩み、そしてなぜ同社がテクノロジー投資家にとって「AI銘柄の本命」とみなされてこなかったのかをみていきましょう。前述のとおり、アップルはデバイス分野において市場のリーダーとなっており、特にiPhoneは同社にとって最大の強みです。この製品は、アップルに大きな「堀(モート)」、すなわち競争優位性をもたらしています。この場合、その堀とはアップルのブランド力です。iPhoneユーザーはこの製品に強い忠誠心を持ち、アップデートを辛抱強く待つことをいとわず、競合製品よりも高い価格であっても支払う意欲があります。

市場調査会社のカウンターポイントリサーチによると2025年、iPhone 16は世界で最も売れたスマートフォンとなり、売上上位10機種のうち7機種をアップル製品が占めました。アップルがiPhoneを初めて発表したのは2007年であることを考えると、この製品が長期にわたってトップの地位を維持してきたことがわかります。

AI分野への参入の遅れと関税による逆風の解消

アップルはデバイスのアップデートやユーザーにとっての魅力向上に注力してきましたが、AI分野にいち早く参入した企業ではありませんでした。むしろ、AIの開発や同社デバイスへの機能展開に関しては慎重なアプローチを取り、Apple Intelligenceを正式に立ち上げたのは2024年後半になってからです。その結果、AIブームに賭けようとする投資家の多くはアップルを見送り、AI技術に全面的に注力している企業を選択する傾向がありました。

一方、アップル株にはもう一つの逆風がありました。2025年の大半において、投資家はiPhoneの生産を中国に依存していることから、同社が高額な輸入関税に直面するのではないかと懸念していました。しかし、米国製造業に投資しているアップルのような企業に対する関税免除の報道により、このリスクは解消されました。

iPhoneが過去最高の四半期売上を記録

ここで、最新の決算報告に目を向けてみましょう。アップルの2026年1月29日発表の第1四半期の売上高は、前年比16%増の1,430億ドル超となり、希薄化後1株当たり利益は19%増の2.84ドルといずれも過去最高水準となりました。またiPhoneが過去最高の四半期売上を記録したことから、アップルはiPhoneの需要を「驚異的」と表現しています。

アップルはすでに巨大企業ですが、今回の業績は、同社が今なお大きな成長を実現できる力を持っていることを示しています。では、この成長は今後も続くのでしょうか。確かに、新型スマートフォンの需要には周期性があり、一度買い替えたユーザーが翌年すぐに新しい端末を購入するわけではありません。そのためアップルは、ユーザーが旧モデルを使い続けるのではなく、できるだけ早く買い替えたくなるように継続的なイノベーションを進めていく必要があります。

見過ごされがちな指標「スイッチャー」とは

成長の方向性を示す重要な指標でありながら、見過ごされがちなポイントとして、以前は他社ブランドのスマートフォンを使っており、最近iPhoneに乗り換えたユーザー「スイッチャー」の増加です。アップルの総売上高の約18%を占める中国市場において、スイッチャー数はこの四半期に2桁の伸びを示しました。

主要市場においてユーザーベースを拡大できていることは、アップルの成長モメンタムが続いていることを示唆しています。アップルは買い替え需要のみに依存する必要はなく、新規顧客の獲得においても引き続き大きな成長を実現しています。そして、2025年のAI関連の急騰銘柄から資金を入れ替えようとする一部投資家の中からアップルに目を向ける人も増えるかもしれません。特に、予想株価収益率(PER)30倍という株価は、非常に妥当なバリュエーションにも見えます。

これらすべては、投資家が必ずしも若く小規模な企業だけに成長を求める必要はなく、アップルのような市場を代表する巨大企業の中にも十分な成長機会が存在している可能性があるのです。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Adria Ciminoは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、アップルの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。