東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反発となりました。171円安の33,182円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に下げ幅を縮めるとまもなくしてプラスに転じ10時30分前に239円高の33,593円まで上昇しました。その後伸び悩むと節目の33,500円を後場に入って割り込みましたが、引き続き堅調に推移すると結局97円高の33,451円で取引を終えています。一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
西松屋チェーン（7545）が一時2.9％高となり年初来高値を更新しました。気温が低下し秋冬物の衣料販売が好調だったことなどから11月の既存店売上高が前年同月比で7.8％増となり、10月の3.8％減からプラスに転じたことで買いが優勢となりました。クレハ（4023）も一時4.7％高となりました。投資単位当たりの金額を引き下げ投資しやすい環境を整えることで、流動性を高め、投資家層の拡大を図ることを目的に2024年1月1日付で1株を3株に分割すると発表したことから大幅高となりました。長瀬産業（8012）も一時5.0％高となりました。最先端半導体の国産化を目指し2022年8月に設立されたラピダスが北海道に建設する半導体工場への材料輸送管理を長瀬産業に委託したと伝わったことを材料視した買いが入りました。サイバーエージェント（4751）も一時7.2％高となりました。グループ会社が21日に配信を開始した人気アニメ「呪術廻戦」のスマートフォンゲームが好調な出足となったことから買いを集めました。また、日本板硝子（5202）が投資判断の引き上げを受けて一時5.9％高となり、アルミ圧延大手のUACJ（5741）も目標株価の引き上げを受けて一時4.5％高となりました。一方で主要な半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数（SOX）が昨日の米国市場で大幅安となったことや、取引終了後に決算を発表した画像処理半導体の米エヌビディア［NVDA］が時間外取引で下落となったことから半導体関連銘柄が安く、なかでも半導体の設計開発を手掛けるソシオネクスト（6526）が一時3.8％安となり、半導体製造装置のアドバンテスト（6857）も一時4.4％安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は97円高となりました。一時は240円近く上げ節目の33,500円を上回る場面もありましたが、33,600円を前に伸び悩むと上げ幅を縮め33,500円を下回って取引を終えました。そのため33,500円を超えたところでの上値の重さがやや意識されそうです。しかし、昨日の米国市場が反落となったことで売りが先行したものの、押し目買いが入り下げ渋ると持ち直し反発となったことから先高期待は依然として高いといえそうです。なお、日本時間の22時30分に米新規失業保険申請件数と10月の米耐久財受注額が発表されるほか、23日午前0時には11月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値が発表される予定です。また、明日の日本市場は勤労感謝の日の祝日で休場ですが、23日の米国市場も感謝祭の祝日で休場となります。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
