【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,997.65 △13.11 (10/17)
NASDAQ: 13,533.75 ▼34.24 (10/17)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は米小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで消費関連株や景気敏感株に買いが入り3日続伸となりましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が売られたことで反落となりました。114ドル安でスタートしたダウ平均は直後に129ドル安まで下落した後切り返すとプラスに転じ昼過ぎに163ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず再びマイナスになると取引終盤には寄り付き直後に付けた安値近辺まで下落しました。しかし、引けにかけて持ち直すと結局13ドル高の33,997ドルで取引を終えています。一方でS&P500株価指数が0.4ポイント安の4,373ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も34ポイント安の13,533ポイントとなっています。
2.経済指標等
9月の米小売売上高は前月比0.7%増となり市場予想を上回りました。9月の米鉱工業生産指数も前月比0.3%上昇し市場予想を上回りました。9月の米設備稼働率も79.7%と前月から上昇し市場予想を上回りました。また、8月の米企業在庫も前月比0.4%増となり市場予想を上回っています。一方で10月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数は40と前月から低下し市場予想も下回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち7業種が上げ、素材が1%高となったほか、エネルギーも1%近く上昇しています。一方で情報技術や不動産などの4業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではシェブロン[CVX]とコカ・コーラ[KO]、ダウ[DOW]、アメリカン・エキスプレス[AXP]、トラベラーズ[TRV]が1%以上上げたほか、ナイキ[NKE]も1%近く上昇しています。一方で決算が大幅な減益となったゴールドマン・サックス[GS]が1%を超える下落となり、インテル[INTC]も1%以上下げました。また、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も1%近く下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では米政府が人工知能(AI)向けなど先端半導体の中国への輸出規制を強化する方針を示したことでエヌビディア[NVDA]が4%を超える下落となりました。さらに新興電気自動車(EV)のルーシッド・グループ[LCID]が高級セダン「エアー」の2023年7-9月期の生産や出荷台数が低調だったことで5%以上下げています。バンク・オブ・アメリカ[BAC]は決算が市場予想を上回る増収増益となったことで2%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は9月の米小売売上高が市場予想を上回る伸びとなったことで0.13%高い4.83%となりました。ドル円は149円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり材料になりにくいなか大幅高となった昨日の地合いを引き継ぎ堅調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の11時に中国で7-9月期の国内総生産(GDP)など数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)