【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,631.14  ▼173.73 (10/12)
NASDAQ: 13,574.22  ▼85.46 (10/12)

1.概況

米国市場は9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで長期金利が上昇し5日ぶりに反落となりました。40ドル高でスタートしたダウ平均は直後に58ドル高まで上昇しましたが、買いが続かずマイナスに転じると150ドル安余りまで下落しました。下げ渋ると昼過ぎに小幅にプラスとなる場面もありました。しかし、伸び悩むと再びマイナスとなり取引終盤には349ドル安まで下落しました。その後引けにかけて持ち直しましたが上値は重く結局173ドル安の33,631ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も85ポイント安の13,574ポイントとなっています。

2.経済指標等

9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.7%上昇となり市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は20万9000件となり悪化を見込んでいた市場予想に反し前週から横ばいとなりました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が下げ、素材と公益事業、不動産、生活必需品、コミュニケーション・サービスが1%を超える下落となりました。一方で情報技術とエネルギーの2業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではボーイング[BA]が2%を超える下落となったほか、マクドナルド[MCD]とハネウェル・インターナショナル[HON]も2%近く下げました。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が決算で最終赤字が前年同期から縮小したことなどで7%高となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、フォード・モーター[F]が2%安となりました。フォード・モーターのケンタッキー州の主力工場で組合員がストライキに入ったと全米自動車労組(UAW)が明らかにしたことで売りが優勢となりました。ゼネラル・モーターズ[GM]やクライスラーを傘下に持つステランティス[STLA]も安く、揃って2%を超える下落となっています。また、代替肉のビヨンド・ミート[BYND]が投資判断の引き下げを受けて6%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回ったことで0.15%高い4.70%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ149円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が25日移動平均線(昨日時点で32,303円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)