【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,418.47  △10.87 (7/3)
NASDAQ: 13,816.77  △28.85 (7/3)

1.概況

米国市場は独立記念日の祝日の前日で短縮取引となるなか薄商いとなり方向感に欠ける展開となりました。37ドル安でスタートしたダウ平均は直後に121ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すと昼前にプラスに転じました。しかし、上値は重く伸び悩むと小幅高で推移し結局10ドル高の34,418ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の13,816ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

6月の米ISM製造業景況感指数は46.0と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で5月の米建設支出は年率換算で0.9%増となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち一般消費財・サービスや不動産、生活必需品などの9業種が上げ、一般消費財・サービスは1%余り上昇しました。一方でヘルスケアと情報技術の2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

テスラ[TSLA]が7%近く上げました。4-6月期の世界の販売台数が前年同期比83%増の46万6140台となり市場予想を上回ったことを好感した買いが入りました。他の電気自動車(EV)メーカーにも買いが波及し、新興のEVメーカーのルーシッド・グループ[LCID]が7%以上上げ、同じく新興のEVメーカーのリヴィアン・オートモーティブ[RIVN]も4-6月期の出荷台数が市場予想を上回ったことから17%を超える上昇となっています。

また、米連邦準備理事会(FRB)が6月28日に公表した大手23行のストレステスト(健全性審査)の結果を受け一部の銀行が配当金を引き上げたことで銀行株が堅調でした。ウェルズ・ファーゴ[WFC]とシティーグループ[C]、ゴールドマン・サックス[GS]、モルガン・スタンレー[MS]が1%を超える上昇となったほか、JPモルガン・チェース[JPM]も1%近く上げています。さらに暗号資産交換業のコインベース・グローバル[COIN]が11%を超える上昇となりました。米資産運用大手のフィデリティ・インベストメンツなどがビットコインの価格に連動した上場投資信託(ETF)の上場を米証券取引委員会(SEC)に再申請したと伝わったことで買いを集めました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%高い3.85%となりました。ドル円は144円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅な上昇に止まり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)