東証の市場改革が世界的にも注目を浴びています。私は本件には深く関わってきました。
元々の市場区分の見直し自体の議論には、私は関わらなかったのですが、それを実行する前に、東証はその諮問機関である市場運営委員会に、市場区分見直しの内容について諮問しました。2021年5月18日のことです。私はその市場運営委員会に、委員として出席していました。皆さんご存知のように、市場区分見直しは満足のいく内容ではなく、色々な意見が出たのですが、既に内容は広く公開されていましたし、そこでその市場区分見直しの内容を変えさせることはもう不可能でした。しかし経過措置を「当分の間」するとしていたので、その期間は誰が決めるのか?と私は質問しました。
東証は自分たちで考えて決めていくと答弁したのですが、「今日ここで区分見直し自体を実行するかどうかの諮問を市場運営委員会に対して行っているのだから、経過措置をいつまで続けるかについても、それは東証だけで決めることではなく、継続的にこの市場運営委員会を開いて、ここで決めるべきだ」と私が主張すると、その内容は論理的で断りにくいものだったと思われ、山道社長が「了解しました」と答えました。それを受けて翌2022年の頭に、東証から、市場運営委員会ではなく、本件に特化した有識者会議でフォローアップすることにしたいと、説明があったのです。
そして「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」が、2022年7月29日から開かれることになりました。私はその会議のメンバーで、積極的に議論をして来ていますが、詳しくはJPXのホームページに議事録が掲載されているので、興味のある方はご覧下さい。第10回まであります。その第1回目の会議は、私はちょうど国際線に乗っている時間だったので、意見書を予め提出しました。これも議事録と一緒に公開されています。下記URLのウェブ頁で、第1回の中の資料4になります。
私はかつて、単元株の導入にも深く関わりました。以前は商法上の一株あたり純資産規制のせいで、知的財産を企業価値の大きな部分とする会社の株は、一売買単位が何千万円もするという状況があったのですが、それを直すべきだと当時の塩崎恭久議員と一緒に、時の保岡法務大臣に直訴に行き議論したりして、もちろん他の多くの方の努力もあり、今の単元株制度が実現して、小さな売買単位でも扱えるようになりました。日本の資本市場を良くすることは、私のライフワークです。これからも更にしっかりと取り組んでいきます。