S&P500は下値抵抗線を割らないことが重要
先週、S&P500は1.39%下落し、6週連続上昇となりませんでした。同指数は6月16日に更新した52週間の高値である4,448.47ポイントから2.25%下げ、4,348.33ポイントで引けています。ナスダック100も1.28%下落で終わっています。
先週は6月21日(水)の下院金融サービス委員会で、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がどのような議会証言をするかに注目が集まりました。その中で、年内2回の追加利上げの可能性を示唆するシナリオが繰り返されています。ただ、前回のFOMC(米連邦公開市場委員会)から新たにインフレに対する見方を変えるような経済指標の発表が出たわけでもありません。23日(金)のマーケットは、ノルウェーの中央銀行による利上げ、またイングランド銀行におけるサプライズの50bp(ベーシスポイント)の利上げを嫌がったようです。
前回の記事で述べた通り、現在のマーケットは急ピッチで上昇してきましたから、目先の株価の調整は当たり前でのことです。むしろ、今後もマーケットが上昇するために、一休みは必要だと考えています。よって、現在起きている株価の調整は買いの機会だと思います。S&P500の下値抵抗線である4,325〜4,300、そして4,200〜4,166を割らないことが重要なポイントです。
第2四半期の決算発表控え、多くの米国企業がブラックアウト期間に
米国では、7月半ばから第2四半期の決算発表が始まります。それを受け、既に多くの米国企業がブラックアウト期間となっています。ブラックアウト期間とは、米国企業の自社株買いを、決算発表を終わるまで一時的に中断する期間のことです。ブラックアウト期間は6月15日あたりから始まっており、現在S&P500採用銘柄のおよそ60%の企業が自社株買いを停止したと見られています。その数は今週末までに85%へ増える見込みです。2023年は年初から既に6,080億ドルの自社株買いが発表されており、これは歴史的に見て2番目に多い年となっています。
今週注目のイベント:銀行ストレステスト、決算発表
今週28日(水)、FRBによる年に一度の米大手銀行のストレステストの結果が発表される予定です。ストレステストは、対象となる大手銀行が深刻な不況に耐えられるかどうかをテストし、各銀行が損失に対するバッファとしてどれだけの資本を保持する必要があるかを規定しています。その結果として、銀行が自社株買いや配当でどの程度株主還元を行なってもよいかを判断することになっています。
今週の決算発表については、26日(月)にカーニバル[CCL]、27日(火)にウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]、28日(水)にマイクロン・テクノロジー[MU]、29日(木)にナイキ[NKE]などが予定されています。