米ドル/円 週間予想レンジ:136.50~140.00
メインストラテジー:押し目買い
・3月高値ブレイクで一段堅調へ
・上値志向維持で大台乗せも
・米ドル全体を引き続きリード
アナリシス:
米ドル/円相場は先週続伸し、2022年12月12日以来の高値を更新した。これから140円大台乗せを目指すとみるが、さらなる高値を終えるかどうかは材料次第であり、やや流動的だと思う。
もっとも、先週の続伸を当然視していた。米ドル/円相場は先々週切り返し、陽線で大引け、また3週間前の陰線と「インサイド」のサインを形成していた。このサイン自体が続伸の蓋然性を示したため、先週の上値志向を強めたわけだ。
先々週波乱したことも重要なポイントだった。5月2日に一旦137円前半をトライしたものの、その後大幅に反落し、133.50円の支持を確認した。米利上げ以降の米金利低下につられた形であった上、米デフォルトの可能性が囁かれたことも大きかった。
しかし、米デフォルト懸念があっても、その現実性については、ほとんどの市場参加者が認めていないかもしれない。言ってみれば、米国は本格的なデフォルトを発生させるわけがなく、デフォルト懸念があっても「政府と議会の対立による誤算」と認識されるだろう。この意味合いにおいて、本格的な危機とは質が異なるため、勘違いされてはいけない。
さらに、皮肉にも米デフォルト懸念が浮上してきたからこそ、米国債が売られて米金利の切り返しをもたらし、結果的に米ドルが買われる展開となった。米ドル/円は米ドル全体をリードする形の上昇となり、また135円台の大引けをもって一段と上値をトライできる環境を構築できたわけで、それが先週の高値更新に繋がった。
米ドル全体の切り返しは、米ドル対円の上昇、即ち円売りの再開自体が自然な成り行きだとみている。なにしろ、4月28日の日銀会合後、政策不変を受けた円売りが再燃し、また植田日銀総裁の発言(政策修正に急がない趣旨)で一段と加速したところ、メイン基調を確立したわけで、途中の波乱があっても円売りトレンドは不変であったため、前述の試練があっても高値更新できたこと自体、我々のロジックが正しいことを証明している。
3月8日と5月2日の高値で測った抵抗ゾーンは、先週の上放れで突破された以上、140円大台まで大した抵抗は見つからないだろう。さらなる上値トライがあってもおかしくはないが、米金利の動向にリンクしてきただけに、高値を追えるかどうかはについては臨機応変に判断したい。高値更新を果たした以上、一般論として136円以下の終値なしでは弱気不要であり、また押し目待ちに押し目なしの展開もあり得る。
豪ドル/円 週間予想レンジ:91.00~96.00
メインストラテジー:押し目買い
・保ち合いが続いても底堅い
・90円大台維持は重要なポイント
・強気基調確認の上放れ
アナリシス:
豪ドル/円相場は先週切り返し、陽線引けで強気基調を証明した。さらに、その値幅も拡大しており、先々週の反落を明白に「否定」したところ、この前の陽線と並び、保ち合いを続けながら上放れの準備に成功したことを暗示しており、今週高値更新を果たすだろう。
先々週の反落は、途中のスピード調整として明白な位置付けができる。週足では陰線で大引けし、またこの前の週足と「インサイド」のサインを形成したわけで、先週の陽線は同上放れを果たしたわけだ。
先週一旦92.39円をトライしたところが大きかった。5月2日高値の92.45円を突破できれば、一段と上値を追う展開になりやすいため、今週はそのような展開がみられるだろう。
なにしろ、この前の豪ドル/円の切り返しは日銀会合後の円売りに依存していた側面が大きかったが、先々週の続伸でもはや強気構造の証明、といった側面が大きかった。先々週に高値を追う展開になってもおかしくなかったが、先週まで「出遅れた」分、これから一段と上値をトライしやすいかとみている。
言ってみれば、4月末に底割れを回避し、地合いをさらに大きく改善したことは間違いなかった。5月に入ってから続伸は同地合いを証明した上、さらに上値志向を強めていたため、上値トライがあるとすれば、むしろこれからなので、先週までの値動きをすべて地合い固めの一環とみなせる。
5月2日~同5日、5月11日、12日や同15日の罫線の組み合わせは、各々「明けの明星」を形成し、また底の切り上げを果たしていたため、先週の高値トライは必然的に5月2日の高値を突破していく存在とみている。
5月2日の罫線は典型的な「スパイクハイ」のサインであった。同サインの「否定」、即ち高値突破があれば、同サインを「ダマシ」的な存在とみなし、これから一段の上昇を暗示、強気変動の一環とみなせる。この意味合いでは、もう90円関門以下の値動きはみられず、今週高値を追う展開になりやすいとみている。強気スタンスで臨みたい。