米ドル/円 週間予想レンジ:134.00~137.50

メインストラテジー:押し目買い

・米長期金利上昇
・年初来高値を更新
・上値余地拡大へ

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週大きく上昇し、一旦年初来高値を更新した。米長期金利(10年国債利回り)は一時2022年年末高値を突破、それに連動した米ドル買いも当然な成り行きではあったが、トレンド転換という意味合いでは、先週の値動きは極めて重要であった。

なにしろ、2022年11月から米金利サイクルの早期トップアウトがトレ―ドアイデアとしてずっと利用され、米ドル売りがトレンドであったが、先週から米利上げ周期の延長といった観点で、急速に米ドルの売られ過ぎが強く意識された。ここからは上値を追う展開になっても不思議ではなく、2022年12月20日高値の137.48円の打診が視野に入ってくる。

2022年12月20日はいわゆる「黒田緩和修正ショック」がもたらした大陰線だったが、同日高値が一転して目標として浮上、またこれから達成されることがあれば、一段と強気変動につながる。そのため、テクニカル上の視点はもちろん、市場センチメントを好転させる点においても、重要なポイントとなってくるだろう。

テクニカル上のポイントとして、やはり1月18日から2月3日まで形成された大型「インサイド」やその後の上放れ、さらに先週の大幅続伸が示した同サインの効き目が挙げられる。1月6日は年初来高値を作っていたが、同日の弱気サインが先週の時点で一旦否定されたわけで、今週高値再更新があれば、一転して強気変動を加速させる存在になり得る。

この視点において、前述の137.48円の打診やブレイクは、たやすいとは言い切れなくても、難しい市況ではないだろう。先週のコラムでも強調した通り、上放れが本物であれば、年初来高値を更新していくことを確実視していた上、1月6日高値の134.79円の打診があれば、直接135円の打診を有力視し、今週はロングスタンスを継続したい。

豪ドル/円 週間予想レンジ:91.50~94.00

メインストラテジー:押し目買い

・保ち合いでも底固い
・保ち合いの再延長も
・上値志向を強める

【図表2】豪ドル/円(日足)  
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週切り返し、大陽線で大引けした。ただし、値幅はなお限定的であり、モメンタムの加速はこれからだとみている。完全にブルトレンドへ復帰するまでなお時間がかかるとみているが、総じて上値志向を維持しており、またこれから強めていくだろう。

もっとも、先々週の値幅限定は、トレンドレスの状況を示したため、先週の切り返しや93円関門のトライは強気変動の継続を強く示唆していた。要するに、上放れの地合いを再度証明したところ、地合いの再確認を行ったということである。

その根拠はやはり2022年の「黒田緩和修正ショック」がもたらした12月20日の大陰線、また同陰線から1月24日まで形成された大きな「インサイド」のサインにあった。1月末の高値更新自体が上放れの証拠として挙げられてきたが、その後モメンタムの欠如でまだら模様な市況に強いられてきたが、先週の上値打診で基調を明確にした。

そもそも前述のサインに対する上放れ自体が紆余曲折であった。日銀会合通過後の波乱があって、上放れ自体が一旦失敗する可能性さえあった。日銀会合があった1月18日に一旦92円関門直前まで迫ったものの、その後一転して大きく売られ、翌1月19日には88円関門直前まで打診、過激な変動ぶりをみせただけに、その後の底割れ回避が非常に重要なサインを点灯した。

1月9日も一旦92円関門手前まで迫った。しかし、日銀政策に関する噂に左右されて大きく反落し、再度88円後半の打診をもって上放れの一旦失敗を示唆していた。ただし、底打ちの構造、即ち日足における「ダブル・ボトム」の構造を維持したことで上値志向自体が維持されると推測、結果として正解であったため、その日銀会合通過後の波乱は、かえって強気の見方を検証する材料と化したわけだ。

そのため、1月18日の波乱が大きかった分、その後の上放れを本物と見なせる。先週の一時的な高値再更新は、値幅自体はなお小さいものの、強気基調の検証という意味合いにおいて重要であった。94円関門を完全に上回れるまでなお波乱含みとみるが、じわじわと上値の打診やブレイクを試していくだろう。そのため、ロングスタンスを維持したい。