家事の片手間に少額のFX投資を行う、あまり投資に詳しくない初心者・・・のはずが主婦の巨額脱税事件もあり、欧米の投資家が日本のFX個人投資家に注目、揶揄して名付けたのが始まりとか・・・。
が、なかなかどうして、現在は為替市場に大きな影響を与える一大勢力です。
少額の資金でもレバレッジをかけて大きな金額の投資ができるFX投資ですが、その歴史はまだ浅いものです。
1998年の規制緩和以降、FX投資が個人投資家も参加できる「商品」となり、当初は怪しげな悪徳業者も多く、「危ない金融商品」のレッテルを張られそうになったこともありました。そうした業者も一掃され、レバレッジ規制も行われるようになり、個人が行える投資商品として成熟してきたと言えるでしょう。
手元資金の少ない若年層や主婦に注目されたのが2000年代の半ば頃。
ギャンブル的な投資手法も多く、リーマンショックで大損して高い授業料を払った方も多かったようです。
当時、市場のプロに言わせると、「妙なポジションを取ったり、オーダーを置く」「市場をかき回している」といった存在だったようですが、いまや、「上級者」の個人投資家が市場にはたくさんいるようです。
「ミセス」とはいうものの、現在その実態は40代を中心とした会社員が多数を占め、全体の8割ほどが男性というデータもあります。
投資初心者が一攫千金を狙って・・・というイメージではありません。
一頃、個人投資家といえば、めいっぱいレバレッジをかけ、無理な逆張り(希望的観測で)をしてはヤケドを負うということが多かったものですが、先ごろの大きな円安の流れの過程でも、ロングを積み上げ、110円目前で利食いをするという巧みな取引がFX利用者のポジションから見られたとのこと。
手堅く上手な順張り、小まめな利食いで稼ぎ高を上げている人が増えているようです。
市場が整備され、投資ツールが充足してくると、後は投資家がいかに成長するかで「利益を出せる投資」になるかどうかが決まってきます。
ミセス・ワタナベが良い例で、投資には失敗がつきものです。それを経験として身につけ、乗り越えていくことがまずは大きな勉強になります。
また、本来の「勉強」として、正しい知識を身につけること。現在、市場を支えている多くのミセス・ワタナベたちは、とても勉強家で、セミナーに出席したり、勉強会をもったり、ネットで情報交換したり、自身のスキルを高めることに余念がありません。他の個人投資家との交流の場を楽しんでいることも伺えます。
相場の世界では情報はとても大切で、趣味の輪として拡がった人脈が利益をもたらす源泉にもなり、投資を楽しみながら勉強していくことは二兎も三兎も得るようなものですね。
廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員