毎週月曜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問に広木隆が回答いたします。回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
Q.リスクをコントロールするための考え方とは
日本株は地震や火山爆発で怖くて買えない。
どんな考えでリスクをコントロールしたらよいのかご教示ください。
回答
心がける投資のスタンスは、「最悪を想定し、最善を望め」です。
日本が地震・火山大国であることは間違いなく、必ず近い将来、深刻な自然災害が起こることを想定しておくべきです。いちばん良いのは海外に分散投資することでしょう。
ただし、近い将来、深刻な自然災害が起こるとしても、その「近い将来」がいつなのかは、わかりません。50年後かもしれない。30年後かもしれない。
その間、日本株にも投資チャンスがあるなら、それに投資するべきです。また、地震などの災害で大きなダメージを負っても、必ず国や企業は復旧するでしょう。
Q.広木さんが高校生に金融教育をするなら?
4月から高校でも金融教育が本格的に始まりました。
仮に広木さんが先生だとしたら生徒の金融リテラシーを高めるために何を教えたいですか?
回答
「世の中にタダめしはない(No Free Lunch)」ということを、まず教えます。別な言い方は、「No Risk, No Return」。
そこから、ロバート・ルービンの4原則を教えます。
・唯一確かなのは、確実なものはないということである。
・意思決定においては確率についてよく考えるべきである。
・不確実性があるにもかかわらず、われわれは行動しなければならない。
・意思決定を評価するには、結果だけでなく、その過程も考慮すべきである。
そのうえで「No Risk, No Return」を映画『ウォール・ストリート』(1987年の『ウォール街』の続編)の台詞で、もう一度、言い直します。
「本当の失敗は、挑戦しないこと」
Q.原材料費の高騰による製造業の利益の圧迫について
原材料費の高騰が製造業の利益を圧迫し、また消費も落ちてしまい、そこが心配です。
その反面、スタンダードやグロース市場のほうにお金が回ってきやすくなることは考えられないでしょうか。
回答
ご指摘の通り、原材料費の高騰による収益の圧迫は確かにいま、市場が感じているリスクのひとつです。下記の関連記事では価格転嫁力がパフォーマンスを左右することを述べています。
大企業製造業を避けて、スタンダードやグロース市場の銘柄を選択するかどうかは結局、企業のビジネスモデルや原材料費の高騰を価格転嫁できる強いブランドや製品力があるかどうか。
スタンダードやグロース市場の非製造業/サービス業でもそのサービスの競争力次第となりますので、単純な資金ローテーションはないでしょう。
Q.値上げの波が個人消費に及ぼす影響を懸念しています
広木さんの価格転嫁の最新レポートを拝読し、一般の消費者にも値上げの波が押し寄せて、個人消費が冷え込まないか心配しています。
特に今後、賃上げの割合以上の値上げによってコストプッシュインフレが進めば、個人消費が冷え込み、株価全体にも影響しないか心配です。
広木さんのご見解をお聞かせください。
回答
日本のCPIは携帯料金値下げの影響が剥落したあとも、コアで見た場合1%程度のインフレが定着するかどうかわからない、という状況です。
消費に影響を及ぼすほどのものになるとは思えません。
Q.ロシアがデフォルトした場合の株式市場への影響は?
ロシアがデフォルトするかもしれない、と言われていますが、もしデフォルトした場合株はどうなりますか。
回答
海外が保有するロシア政府債の内訳は、ルーブル建てが7割、外貨建てが3割で、その額は200億ドル程度である。
デフォルトのリスクが高いのは、この政府債の200億ドル程度なので、たかが2兆円ほどなので、影響はほとんどないと考えます。
Q.自動車セクターの底打ちはいつくらいでしょうか?
自動車セクター(完成車)が底になるのはいつくらいだと思われますか?
回答
トヨタ(7203)については、すでに底は入っているように思えます。他のメーカーも底打ちしつつあると見ていいでしょう。
この円安がさらに後押しになるでしょう。
Q.DX関連でおすすめの銘柄を教えてください
DX関連は今年一年を通して買われてくる業種として見てよいでしょうか。
おすすめがありましたらお願いいたします。
回答
日立(6501)、オービック(4684)、大塚商会(4768)、NRI(4307)などは良いと考えています。
このコーナーでは、毎週月曜夜21時から開催している「広木隆のMonday Night Live」でいただいたご質問のうち、セミナー内で回答しきれなかったご質問にチーフ・ストラテジストの広木隆が回答いたします。
今回は2022年4月11日のセミナーで寄せられたご質問から抜粋して回答しています。
回答対象とするご質問は、サイトへの掲載を考慮して選択採用とさせていただきます点についてご了承くださいますようお願いいたします。
【広木隆のMonday Night Liveについて】
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