米ドル/円 

週間予想レンジ:105.00~107.00

メインストラテジー:押し目買い

・流れの修正が鮮明化
・新たな段階入りを示唆
・受動的な円安

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週、大幅続伸した。先々週の大幅上昇に続き、年初来高値を再更新し、2020年11月高値を一旦トライした。年明けから切り返しが継続しており、流れとして受動的な円安の方向に振れやすく、先週の続伸で一段とその流れが鮮明になったとみる。上昇モメンタムの増加についても、新たな段階入りが示唆される。

年初の底打ちが重要であったことは、これまでにも繰り返し指摘してきた通りである。先週までの続伸や、1月第1週の大陽線が効いていること、また同サインの延長線にあることを証左した。同週の足型、典型的な「強気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した上に、2020年6月高値から形成されてきた「下落ウェッジ」の下限を一旦トライし、その後反騰したことで底打ちを示し、目先までの強気変動をもたらした。そのほか、米ドル全面高という背景も無視できない。

先週、ドル指数は続伸し、91円関門のブレイクをもって切り返し自体の継続や新たな段階入りを示唆した。米ドル/円はドル指数との連動、という傾向が一段と確認され、米長期金利(10年国債利回り)の上昇もあって、ドルショートポジションの手仕舞いがこれからも進むと推測される。

先週の続伸、また2020年11月高値の一旦打診やブレイクをもって新たな強気サインを点灯し、今週の基調を一層固めたとみる。既述のように、日足における1月14日~19日に形成された「インサイド」のサインについては、1月20日に一旦下放れしたものの、継続的な下値打診が回避され、先週の高値打診をもって同下放れが「ダマシ」であったことを証左し、一転して強気サインと解釈される。

すなわち、2020年11月高値で前記「ダマシ」を証左した上、同年3月高値から継続されてきた米ドル安の流れを転換させる土台が固められ、米ドルの一段高につながる。繰り返し指摘してきように、2020年3月高値からの下落が、大型「下落ウェッジ」のフォーメーションを形成してきただけに、2020年11月高値の打診自体も同上放れを証左するサインとなり、これから「米ドル高・円安」への流れを加速するだろう。

更に、年初安値(102.58円)を「ヘッド」とみなし、2020年11月安値(103.17円)と2021年1月21日安値(103.32円)を「ショルダーズ」とみる場合は、前回コラムで指摘の通り、大型「ヘッド・アンド・ショルダーズ・ボトム」(逆三尊型)の成立につながる。先週の続伸で同フォーメーションの存在が一層証明されたとみる。

目先少なくとも106円前半までの上値余地が示唆され、モメンタムの強さに鑑み、一時的にせよ、107円関門の打診があってもおかしくなかろう。前記のように、2020年11月高値105.69円の上に変動を保てれば、新たな上昇の段階入りにつながり、一直線に進行しなくても、2020年8月高値(107円関門手前)までのトライを有力視する。

繰り返し指摘してきたように、米ドル全体の切り返しが進行しており、主要外貨のうち円が一番弱い存在となっているため、円は米ドル高の受け皿として重要な役割を果たしている。またその傾向が一段と鮮明になってきている。この場合は、主要クロス円の上昇が確認され、また総合的に受動的な円安の流れを強めていくため、円安の流れがこれから一層鮮明になってくる可能性が大きい。104円前半~105円関門前後は一転して支持ゾーンとなり、深押しを回避できれば、しばらく米ドル/円の続伸を有力視できるだろう。

豪ドル/円  日足

週間予想レンジ:80.50~82.50

メインストラテジー:押し目買い

・メイントレンドを維持
・80円心理大台は通過点
・モメンタムが再加速

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週切り返し、僅かながら高値最更新となった。これまでにも繰り返し指摘してきたように、豪ドル/円の強気変動に大した変化はなく、調整の先行があれば、むしろ健全な値動きである。むしろ、これからのトレンドをより強くする側面のほうが大きく、先々週までの値動きに関する解釈が正解であった。

もっとも、年初来たちまち高値を再更新し、1月第1週において80.94円をトライした。週足においてほぼ「10連陽」となり、スピード調整があっても当然な成り行きと見てきた。先々週までの一旦足踏みは、豪ドル/米ドルの反落につられた側面が大きかっただけに、スピード調整自体がサプライズではなく、むしろ調整幅が限定されたことが印象的だった。そのため、先週の切り返しも当然の成り行きと思われる。

繰り返し指摘してきたように、年初来80円心理大台を上回ったことが重要なサインだった。豪ドル/円のブル基調は堅実なものであり、80円心理大台のブレイクがあっても通過点に過ぎず、新たな上値余地を拡大したとみる。先週の続伸や同心理大台の回復によって、これからの上昇モメンタムの増強が有力視される。

強気変動の土台は、2020年12月第3週の足型が重要なヒントを示唆していた。同週にて一時77.48円まで調整したものの、再度78.63円で大引けし、典型的な「スパイクロー」のサインを点灯させ、年初来までの続伸をもたらした。その後、先週の切り返しが確認された分、一段と強気変動の継続が示唆される。79円関門前後における支持の重要さも既述の通りである。調整波の先行があっても浅い程度に留まり、メイントレンドの底堅さを逆に示唆している。

豪ドル/米ドルの調整で2020年11月から続伸してきた勢いが続かない、という懸念を完全に杞憂とは言い切れない。しかし、我々の想定よりだいぶ上限に位置する79円大台さえ割り込めずにいたため、しばらく豪ドル/円の強気構造は変わらないものと確認され、今週も弱気は不要とみる。

もっとも、繰り返し指摘してきたように、80円心理大台のブレイクがあったため、何らかのスピード調整を想定していた。先週の切り返しで同調整の完了が示唆され、目先上値追いの展開があってもおかしくなかろう。

80円心理大台が通過点に過ぎず、また目先一転して支持となるため、短期スパンに限っては、上値打診なしでは下回らないとみる。モメンタムの加速は、むしろこれからだと思う。高値再更新自体もサインとなり、目先高値追いも一手となるかもしれない。強気スタンスを維持したいところだ。