英ポンド/円 (137.50〜144.00)10月31日〜11月5日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは! 英国下院議会で10月29日、早期総選挙を12月12日に実施する法案が可決されました。ジョンソン首相はこれまでに早期の総選挙実施の動議を下院に3度提出しましたが、いずれも全議員の3分の2を上回ることはできずにいました。

しかし、EUのトゥスク大統領もEU離脱延期を最長で2020年の1月31日まで延期するとの発表もあり、労働党のコービン党首も早期の総選挙実施を支持する表明をしています。これにより与野党がやっと意見の一致を見せました。この法案は賛成438票、反対20票の大差での可決となりました。

各党は昨日の10月30日から選挙戦の準備に入りました。ジョンソン首相率いる与党・保守党は下院で単独過半数を獲得し、欧州連合(EU)離脱を実現することを目指します。

一方、与党の独走阻止を目指す野党各党も足並みは揃わず、難しい状況と言えそうです。最大野党の労働党は党内では、いまだに国民投票を先に優先すべきとの意見が根強くあるため、100人以上の労働党議員が棄権、11人は反対票を投じました。

同法案は現在、上院で審議されており、順当に進めばここでも可決される見通しとなります。そうなれば下院は11月6日で解散され、5週間の選挙期間が始まります。

今後の保守党と労働党の選挙運動は激戦となるでしょう。

他方、10月30日に行われたFOMCでは、追加利下げを実施しました。これを受けて、米ドル/円は一時109.28円前後まで上昇しましたが、その後急落。現在は108円60銭代まで下落しています。今週はS&P 500まで3,050ポイント以上を付けて過去最高値を更新しました。

今回のマーケット全体の動きを見ていると米国株は利下げにより株高と反応していますが、FOMCの利下げによるドル高は一旦終了と見て取れる動きとなりました。

今後、利下げの発表があったとしても一時的な米ドル買いの動きを見せたとして、その後反転することが増えるだろうと想定します。

それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/円(月足)
出所:筆者作成

月足トレンドレス中段。このまま11月も陽線となり、ミドルを上抜けしてくるかどうかがポイントです。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/円(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段+2σまでまだゆとりがあり。この2週間で揉み合いとなっていますが、このまま上昇していくのか、直近高値の141円半ばで抑えられるかの場面となります。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/円(日足)
出所:筆者作成

アップトレンドMA反発場面。このまま+2σまで伸びるか、ダブルトップを形成して反転するか、ミドル反発で再度上昇するかの3パターンが考えられます。

それでは、向こう1週間の重要指標です。

10月31日(木)
15:30 日・黒田日銀総裁定例記者会見
19:00 EU・GDP速報値
21:30 米・個人消費支出
未明 日・日銀金融政策決定会合終了後政策金利発表、日銀展望レポート

11月1日(金)
21:30 米・雇用統計
23:00 米・ISM製造業景況指数

11月5日(火)
24:00 米・ISM非製造業景況指数

11月6日(水)
8:50 日・日銀金融政策決定会合議事要旨

上記の分析から、エントリーポイントとしては以下のとおりです。

予想レンジ:137.50〜144.00               

メインストラテジー:

買いをするなら
・141.50円を上にブレイクしたら短期足使って押し目でエントリー
・日足ミドル反発で順張りエントリー(想定価格:138.60円〜138.80円もしくは137.80円近辺)

売りをするなら
・140.40円〜140.60円も日足Wトップ+週足トレンドレス逆張りを根拠にエントリー