英ポンド/米ドル (1.27300~1.35000) 4月11日~4月17日まで

アナリシス:

皆さん、こんにちは!さて、英国のEU離脱交渉問題は暗礁に乗り上げ、どうなるか誰も予測できない状態が続いていましたが、少し先が見えたかもしれません。

EUは4月10日、臨時の首脳会議(サミット)を開き、英国が要請した6月末までの離脱延期について協議しました。メイ首相はEU加盟27ヶ国の首脳陣を前に、約1時間にわたって離脱延期の必要性を訴えました。

トゥスクEU大統領が延長期間について最長1年とする案を示唆していた中、メイ首相は英下院で離脱協定が可決した場合に期限を前倒しできることを前提に、長期の延期を受け入れることにも前向きな姿勢を示しました。

EU首脳陣はメイ首相の演説後、英国の離脱延期を巡る草案の修正に入り、今後のEUの意思決定の過程における英国の役割を限定的にする内容や、ブレグジット後の諸問題を協議する際、英国抜きでもEU加盟国が会合を開けるようにすることなどを盛り込みました。草案では離脱延期の日時が「XX.XX.XXXX」とのみ記されていることから、延期の期間が最も重要な争点であることが伺えます。

日本時間4月11日10時過ぎ、ロイター通信の情報によると、10月末までに離脱を延期することで、EU27ヶ国の首脳と合意したことをトゥスクEU大統領が発表しました。

これにより、4月12日の合意なき離脱は回避することとなり、ポンド暴落の回避が確定するかどうかがポイントとなります。本日夕方からのポンドの動きには注目していきたいところです。

ちなみに、ロイターのニュースが出た際の動きは、一時上昇したものの大きなトレンド発生にはなっていません。

今日の夕方のロンドン市場オープンでは、合意なき離脱回避でポンド買いに動くのか、半年の延期は結局問題が少し先送りとなっただけで実情は改善されている訳ではないため、市場参加者のポンド買いは抑制されるのかどうかに注意が必要です。

また、本日早朝のFOMCの議事要旨では、世界経済や金融動向などを巡る不透明感を考えると、忍耐強いアプローチが必要という意見が多数を占めた模様。

そして、今後のFF金利についても言及があり、複数の参加者による適切なFFレートの目標についての見解は「入手するデータによりどちらの方向にも動きえる」とされています。

米国の今後の展開としてFFレートの引き上げとなるかどうかは重要事項ですが、今回のFOMCでは明確な方向性は示されませんでした。

また、FOMC後の相場の動きも限定的なものとなりました。


それでは、月足チャートです。

【図表1】英ポンド/米ドル(月足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。月足はトレンドレスを維持し、MA、ミドルライン付近まで上昇したのち、一旦抑えられています。方向感がない状況が3ヶ月続いています。

続いて、週足チャートです。

【図表2】英ポンド/米ドル(週足)
出所:筆者作成

トレンドレス上段から中段でのもみ合い。4週間この間でのレンジ相場を形成。週足も方向性がないと言えます。

最後に、日足チャートです。

【図表3】英ポンド/米ドル(日足)
出所:筆者作成

トレンドレス中段。バンドもスクイーズし、雲に絡み、方向感に乏しい状態と言えます。

向こう1週間の重要指標です。

17日(水)
18:00 EUR・消費者物価指数

上記の分析からエントリーポイントとして、
予想レンジ:1.27300~1.35000

メインストラテジー:

<日足ベースシナリオとして>

買いをするなら
・1.2980~1.3000の日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.2870~90の週足サポートライン+日足トレンドレス下段逆張りを根拠にエントリー
・1.27300付近の週足サポートライン逆張りを根拠にエントリー
・1.31000の1時間足のレジスタンスラインを上にブレイクしてアップトレンドになれば短期足を使って押し目でエントリー

売りをするなら
・1.33000~1.33500付近で週足・日足トレンドレス上段逆張りを根拠にエントリー
・1.34800付近日足トレンド転換を根拠にエントリー