1.概況
本日の日経平均は19円高の2万118円と小幅に続伸しました。TOPIXやJPX日経400も上昇しましたが、新興市場のマザーズ指数は小幅に下げています。昨日の米国市場で主要指数が小幅に上昇し、ドル円もやや円安に戻したことを受け、日経平均は58円高と続伸して寄り付きました。日経平均は寄り付きの水準が1日の高値となると9時半過ぎには1円高とマイナスに転じる直前まで上げ幅を縮めましたが、踏みとどまるとその後は持ち直しました。前場を45円高で終えた日経平均は後場に入ると30円程度の非常に狭い値幅でのもみ合いとなりました。日経平均はその後も大きな方向感が出ることなく19円高と小幅に続伸して取引を終えました。東証1部の売買代金は1兆9863億円と昨日に続いて2兆円の節目を割り込みました。東証33業種は非鉄金属や機械、鉄鋼、輸送用機器など27業種が上昇しました。一方で水産・農林業や小売業、保険業など6業種が下げています。
2.個別銘柄等
東証1部の売買代金上位銘柄は高安まちまちでした。売買代金トップにはファーストリテイリング(9983)が入り5%近い大幅安となりました。昨日発表した第3四半期までの累計業績は大幅な増益だったものの、3-5月の3ヶ月では純利益が前年同期比減益だったことや今期の業績予想修正が行われなかったことが失望売りを誘ったとみられます。ファーストリテイリング1銘柄で日経平均を62円超引き下げました。売買代金2位に入った任天堂(7974)や東京エレクトロン(8035)、KLab(3656)なども下げています。一方でトヨタ自動車(7203)、メガバンク3行、ソフトバンクグループ(9984)、ファナック(6954)などは上昇しました。その他材料が出たところでは、食肉の製造や卸売などを手がけるエスフーズ(2292)が7%超の大幅高となりました。昨日発表した第1四半期の決算で売上高が前年同期比10%近く、営業利益が前年同期比15%近く増加するなど堅調な業績が好感されました。
【VIEW POINT: 明日への視点】
日経平均はファーストリテイリングの大幅下落もあって上値の重い展開となり、小幅な続伸にとどまりました。日経平均は今週1週間で189円高と3週ぶりに反発しました。今夜は米国の小売売上高が発表されます。米国の個人消費動向を知る重要指標として注目されます。また、来週は17日の中国の小売売上高や鉱工業生産、19日から20日にかけて開催される日銀の金融政策決定会合、20日の欧州中央銀行(ECB)政策理事会などが注目材料です。
(マネックス証券 プロダクト部 益嶋 裕)