みなさんこんにちは。株式会社インベストラストの福永博之です。今回も窓についての解説の続きです。 前回は「実際のトレードでは抵抗線を突破するまでは高値を買わないようにすることと、利益確定を優先させる必要がある」としましたが、果たして結果は...。
チャートを見ると分かるように、先週後半から今週前半にかけてはめまぐるしい変動となりましたので一緒に確認していきましょう。
まずは8月8日の上ヒゲをつけた部分についてです。ここでは前述のように5日移動平均線を上回りましたが、抵抗線を突破できずに押し返される結果となりました(指摘した高値掴みをしてはいけないポイントになります)。
また、週末の10日には一気に5日、25日、75日と3本すべての移動平均線を下回ると、今週13日にはトルコリラの下落のショックを受け、窓をあけて下落して始まるとそのまま下げ幅を拡大し大陰線を形成して終えています。
さらに8月13日の大陰線を形成したところでは、3月26日のローソク足の実体と7月5日のローソク足の実体を結んだサポートラインを割り込んだことに加え、これまで指摘していた7月12日と13日のあいだにあけた窓に向かって下落する結果となっているのが分かります。
ただ、このときの下落で7月12日と13日のあいだの窓を埋めたことになりましたが、この下落時に新たな窓が発生しているため、8月10日と13日のあいだにあけた窓を埋める必要があったわけです。
そうしたなか、14日に大幅に反発をしたことから結果的に13日と14日のあいだにあけた窓を埋めることになるなど、「窓をあけながら埋めた窓を、埋めなおした」というのが結果になります。
このように窓を中心に値動きを考えるとややこしい値動きに感じてしまうかもしれませんが、逆に窓があったからこそ、窓を埋めるそれぞれの値動きが発生したと考えることはできないでしょうか。
またサポートラインがあったからこそ、株価の下落が一旦止まったとは考えられないでしょうか。なぜなら、14日の取引が始まる前のNYダウやナスダック総合指数が下落して終えていたことに加え、為替市場でもドルが弱含んで110円台後半で推移しており、決して円安に振れているわけではなく、14日の498円高を説明する材料とは言い辛いからです。
このように窓埋めをするという値動きがあるからこそ、現在値と窓の位置関係やサポートとなる水準などを知ることによって将来の値動きの予想に役立つのではないかというのが私の考えです。
さて今後の値動きについてですが、すべての窓を埋めてしまいましたので、サポートラインを割り込まずに下げ止まるようであれば、もち合いに戻ってさらにもち合いの上限に接近することも視野に入ってくるのではないかと思われる反面、割り込んでも戻せない状況になるようですと、トレンドが転換することも考えられますので、今週に引き続きサポートラインと株価の位置関係を確認しながら値動きの判断に役立てたいところです。