実質的に「開店休業」の週
手掛かり材料に欠ける相場が続く。そうした中でも先週はまだ植田総裁発言やエヌビディア[NVDA]決算などがあったが、今週は一段と材料不足となる。米国は28日が感謝祭で休場、29日が短縮取引となる。今週一週間は実質的に「開店休業」である。
金利上昇が株式相場の重石となるリスクに要注意
注目点は26日のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録、27日のPCEデフレーターくらいか。これらの展開次第ではFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げに対する見方が後退し、ドル高要因となり得る。閑散のなか、意外高となる可能性もわずかながらあるので押さえておきたい。
感謝祭明けの29日はブラックフライデーで年末商戦のスタートだ。そのタイミングで今週はベスト・バイ[BBY]、メ―シーズ[M]、コールズ[KSS]、アバクロンビー&フィッチ[ANF]、ノードストロム[JWN]などの小売りの決算発表がある。米国の個人消費の動向が関心を集めるだろう。
マイナーなイベントだが、財務省は26日に国債市場特別参加者会合、27日には国債投資家懇談会を開催する。そうした対話を通じて国債市場で国債増発の観測が強まることもあり得る。国内長期金利はすでに1%を超え1.1%に迫っている。思わぬ金利上昇が株式相場の重石となるリスクには注意が必要だろう。
日経平均狭いレンジでの一進一退が続くだろう
そうしたことがなければ、日経平均は3万8000円の大台を下値と意識した、狭いレンジでの一進一退が続くだろう。感謝祭が終わって、暦が12月に変われば、いよいよ年末ラリーの期待で動意づく可能性が高い。動意づくと言っても、12月18-19日の年内最後の日銀金融政策決定会合をめぐる思惑で上下、いずれもあり得るだろう。今は、波乱含みの師走相場入りを控えて、小休止の時期か。
予想レンジは3万7800円~3万8800円とする。