5日移動平均線上を回復できるか?

米国市場ではNYダウなど主要3指数が過去最高値を連日で更新しているにもかかわらず、東京市場では日経平均が4万円と200日移動平均線との間でもち合いが続く格好となっています。

そうした中、11月6日~12日にかけての日経平均は、6日に窓をあけ、上昇して始まるとともに一気に5日移動平均線を上回ったことから、4万円に接近しました。しかし、その後は連日始値よりも終値が安い陰線が発生しており、売り圧力の強さが見て取れる状況となっています。

また、11月12日には上向きの5日移動平均線を下回って終えており、再び5日移動平均線上を回復できるかが気になるところです。そして、今回注目されるのが75日移動平均線です。75日移動平均線は12日時点では下向きを続けていますが、39,000円以上の水準を維持するようなら、13日にも上向きに変化することが考えられます。

仮に、75日移動平均線が上向きに変化するようなら、反落する場面があってもサポートになることが期待されるほか、上昇トレンド発生のカギになるかもしれません。

一方で、5日移動平均線上を維持できずに割り込んだり、割り込んだまま200日や75日移動平均線を割り込んで戻せなくなる場合は、もち合いを下放れて株価水準が切り下がったり、下降トレンドが発生したりすることが考えられ、押し目買いは控えるか下げ止まりを確認してから行う必要があると思われます。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成 
※移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの低下に要注意

一方、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回っているものの、2本線ともに下向きに変化してします。こうした状況から、2本線の低下が続くかが注目ポイントです。

仮に、2本線の低下が続くとともに、0ラインを割り込んで戻せなくなるようなら、200日や75日移動平均線を下回ることが視野に入ってきます。その反面、0ラインを割り込んでも限定的だったり、上向きに変化して上昇したりする場合は、4万円に再接近したり、上回ったりすることが視野に入ってきます。そのため、売りポジションを持っている投資家は、買い戻すタイミングを逃さないように注意が必要でしょう。