強いのか、弱いのか、よくわからない相場です。決算発表銘柄に対する反応が激しく、実態がよくみえてきません。年初から4カ月調整が続いている割には、慌てて買う気配がない。米国のダウ平均は史上最高値を更新していますが、ポジティブな気分になりません、どうしてなのでしょう。
中国の景気減速懸念が重荷となっているのでしょうか?ウクライナ問題の影響は最終的に大きくなさそうですが、中国経済の減速が拡大すると、やはり無視はできない。いろんな国が影響を受けるでしょうし、米国もです。
アベノミクス相場を経験した日本株と、低迷続きの上海総合指数の動きは基本的に違うのですが、今年に入ってからの日経平均と上海総合指数は上値を切り下げる同じような動きをしている。日経平均はダウ平均の高値更新に引っ張られるよりも、近隣の中国の悪い部分に引きずられるような気もします。
中国の証券当局が企業の優先株発行を試験的に認める規制緩和、上海証券取引所と香港証券取引所の間で互いの上場株の売買注文を受け付ける制度が10月から稼働する、内外機関投資家の資格要件を緩和し投資上限を拡大する方針など、なぜ、これで株価は上昇できないのでしょうか。もっと重い要因があるとすれば、景況感の急激な落ち込みを示唆しているのかもしれません。
コマツ(6301)を推奨している私の立場から言うのはなんですが、あの決算でよく株価は上昇したと思います。今回の決算見通しの中では、中国や新興国需要を減速でみている企業が大半。今期の利益の伸びが前期より鈍化する見通しが多いです。
ほんとうにそうなるのでしょうか? 逆もいえるわけです。中国や新興国需要が国内企業が見通すほど弱くならないケースです。どちらかと言えば、これは少数派の意見でしょう。いつもそうですが、最初は疑心暗鬼で次第に良くなっていく方が株価の安定感は長持ちしやすい。いきなり最初から勢いある強気決算が連発して出てくるときは、皆が強気になりますので、やっぱり株価は天井になりやすい。
今期の利益の伸びが前期より大幅に鈍化する見通しにもかかわらず、なぜ株価はもっと下げないのでしょうか?これから良くなっていくことを市場が織り込み始めようとしているからではないでしょうか。決算発表後に買われている銘柄に対し、「今期見通しがさえなくても、前期決算が好調であれば実績を評価して買われている」という市況解説を見かけますが、・・・違うでしょと。今期の業績見通しが現時点で発表されている数字より、よくなるから買われているのでは。そんな、あたかも将来のことが分かるかのようなコメントを書くと、馬鹿にする人がいますが、今見えることしか判断材料がないようでは、いつまでたっても株で儲けることはできません。昔、師匠がアイスクリームを食べながら、そう言っていました。
東野幸利
株式会社DZHフィナンシャルリサーチ
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