SOX指数のみ上昇が追いつかず
週明け11月11日(月)の米国株式市場では主要3指数(ダウ平均、S&P500、ナスダック)が、ともに史上最高値を更新しました。このままトランプ・トレードは続くのでしょうか。
大型イベントを通過した今後の動向に注視が必要です。主要3指数でみると全般堅調にみえますが、2024年前半まで相場全体をけん引したSOX指数が、いまだに10月の戻り高値(5,432.21ポイント)も超えられず、7月の史上最高値(5,904.53ポイント)から12%以上も下方にかい離した水準にとどまっています。これは単純に考えると、夏場に向けて相対的に大きく上昇した反動があまりにも大きすぎたため、半導体関連の業況の不透明感などもあり、上昇が追いついていないとみられます。
ただし、年初からのパフォーマンスを「点」でみると、足並みがそろってきた感じがします。先週(11月4日週)は、米大統領選挙やFOMC(連邦公開市場委員会)といった大きなイベントが市場への追い風となり、どちらかというと全体的にかさ上げされる状況でした。決算発表も一巡したことで、ここからは史上最高値を唯一更新できていないSOX指数の動きがどうなっていくのかに注目です。10月の戻り高値を上回り、高値更新に向けて出遅れが解消されていくのか、あるいは、すでに夏場の高値でピークアウトしていて、10月高値を超えられず、再び下げていくのか。市場規模が最も小さいSOX指数の大きな変動が、主要3指数の当面の動きや、日本株の騰落に影響を及ぼす可能性が高いといえます。
今後は金融シフトの展開も想定される
また、米国株全体の上昇が続く場合でも、大きなイベントを通過したことで、物色の優位性にも変化が生じることも考えられます。
例えば、現在、SOX指数とその対極にあるS&P500の業種別指数の1つである「金融」との相対指数(SOX指数÷金融)をみると、6月頃までは上昇トレンドが続き、半導体が金融に比べ優位な基調が続きましたが、7月からの急低下により、52週線を下回ってきています。13週線が52週線を下回ってきている点も要注意です。これから予想以上に金融の優位性が強まっていく(金融シフト)展開も想定していくべきではないかと思います。