東京証券取引所、11月5日取引時間の延長等の制度変更
今週(11月5日週)の東京市場は立会いが4営業日の中、波乱要素が多い週となります。三連休明けの11月5日(火)から取引時間が30分延長され、大引けの時間が15時から15時30分に変更されました。
30分の延長で何か変わるという次元ではありませんが、市場に携われてきた市場関係者や投資家にとっては、生活習慣として長年の間しみついてきた「15時」からの時間の変更は特別な思いでしょう。取引がない休日でも15時を示す時計の針は一日の終了を思わせるほど、身体にしみついていました。
米大統領選の結果が東京市場にどう波及するか
米国では11月5日(火)の大統領選挙の投開票が大きな注目を集め、11月6日(水)~7日(木)の日程で連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されます。大統領選挙の投開票に関する報道や各州の勝敗は、東京市場では6日(水)の午前中から消化することになりますが、先行きへの不透明感の払しょくにつながるかが焦点となります。両者どちらが勝ってもともに織り込み済みの反応にとどまればよいですが、大接戦が伝わる中で結果の判明には日数を要する可能性が高いでしょう。特にトランプ氏が劣勢となった場合の言動や相場の反応には、留意したいところです。
米国株市場、10月末は各主要指数などが長い陰線に
また、米国株式市場で10月31日(木)に形成した長い陰線の大幅安も気がかりです。単なる月末要因なのか、あるいはマイクロソフト[MSFT]やメタ・プラットフォームズ[META]の大幅安の影響と指摘する向きが多いです。ナスダックの2.7%安や半導体株指数(SOX指数)の4.0%安、S&P500も1.8%安と驚くほどの下落率ではありませんが、長い陰線は気になります。
ナスダックとS&P500に共通している点は、8月5日(月)安値を起点に9月安値を通る右肩上がりの下値支持線を下回ったことです。下値支持線を下回ることは、弱気サインのひとつです。SOX指数はまだ下値支持線上で踏みとどまっていますが、長い陰線によって10月初旬の安値を下回ってしまいました。大した動きではないといわれればそうなのですが、いやな感じがします。
VIX指数、じり高基調
他方では、S&P500オプションの値動きを元にシカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出しているVIX指数の動向も気がかりです。通称「恐怖指数」とも呼ばれ、株価下落時には投資家の不安心理が高まり上昇する傾向があります。このVIX指数が、じり高基調にあります。
VIX指数は8月5日(月)につけた38.57の高値から低下基調をたどったあと、9月6日(金)に高値22.38、10月7日(月)には高値22.64と少し上昇する場面があり、1ヶ月ごとに高値をつけています。週明け11月4日(月)は21.98まで上昇し、9月と10月の高値水準が視野に入り、超えると市場が混乱し始めているという見立てもできます。
意外と静かにみえる米国株式市場ですが、念のために警戒が必要なのかもしれません。