西へ。今(このつぶやきは今日は市場が引ける頃に書いています)、営業のために大阪に向かっています。明日の昼には東京に戻ります。何度も何度も乗った新幹線。最近はどうしても外を見るよりも、目の前にあるPCやスマホの画面ばかりを見るようになってしまいますが、視線を外にやって、車窓から眺める風景は、同じ場所ではあるのですが、何度見ても飽きません。建造物の佇まいが変わる、季節によって山の色が変わる、など色々ありますが、その日の天候によって見えるものも、その雰囲気も大きく変わるのが、私には興味深いです。

我が国を代表する風景である富士山。私は新幹線は必ず北側の席を取って、富士山を拝める位置に座るのですが、この見逃すことが不可能な圧倒的な風景の富士山でさえも、天候次第では、すぐ目の前にあるのが分かっているのに、全く見ることが出来ません。しかもその見えなさ方は、山があるように見えるけれども雲で隠れている、と云う様相ではなく、ただ単に広大な緩やかな丘陵が広がっているように見えて、山の存在を感じさせません。富士山以外の地域も、例えば晴れているか曇っているかで、風景の色合いが全く違って、印象もあまりにも違うので、同じ場所であることを記憶の中から認めることが出来ません。そこに存在するものは同じものである筈なのに。

社会で起きていることも、マーケットも、同じなのでしょうね。どう云う光を当てるかで、見え方は全然変わってしまう。どの部分を見ないかで、見えるものが全く違ってしまう。そう云う見え方の変化に惑わされずに、存在するものを見極めることが必要なのでしょう。でも、そんなことは不可能か。新幹線も何度も何度も乗れば、富士山が何処にどう云う風に在るかを知れます。東海道線沿線の風景の概要も把握出来ます。そうすると数をこなすこと、経験が役に立ってきます。

しかし、何回新幹線に乗ったって、PC・スマホばかり見ていたら、外に何が在るかは分かりません。時間は掛かるけど、一杯、様々なニュースを読んで、マーケットからは常に目を離さないことが肝要ですね。