OBと云ってもゴルフではありません。先輩、特に引退した先輩のことです。因みにゴルフのOBは out of bounds 境界の外側という意味であり、先輩のOBは old boy の略です。

OBとは厄介なものです。学校のクラブのOBとか、態度はデカくて偉そうで、現状を知りもしないのに、分かったような風で口出しするし、特に後輩の前で偉そうにされると、現役の部長とかは困るものです。OBが、OB同士で集まって旧交を温めるのは、もちろん何の問題もなく、素晴らしいことですが、OBが現役と交わる時、様々な問題が発生し得ます。

OBが問題になるのは、学校だけではありません。企業にとっても、OBは厄介な存在です。これもOB同士の交流はもちろん何の問題もないのですが、OBが、特に力のあるOBが現役と関わる時に、問題は発生しやすくなります。今流の言葉で表すと、ガバナンスが毀損される場合が多いということでしょうか。

かつて隆盛を誇った某金融機関も、本体トップになり損ねたOBが関連子会社のトップとなり、そこで本体でやり遂げられなかった夢を追求し、本体トップはそのOBの後輩に当たるので、OBの暴走を止められず、結果全体の破綻に至りました。OBの問題は、事業会社も含めて、色々なところで見てきました。今回世の中を騒がしている問題も、やはりOBの問題が大きいと思います。

ガバナンスを考える上で、社外取締役の存在も重要ですが、OBの非存在もとても重要だと思います。ゴルフのOBと同様、OBは境界の外にあるべきですね。