リーマンショック以来初めて、米国債の保有残高で、日本は中国を抜きトップになったとのこと。米財務省が昨日発表した2月末の数字です。偶々か、或いは必然とは云わずも理由のあることか。どうでもいいことか、或いは何かしら重要な含意があることか。現時点では不明です。

普通に考えると、日本は金融緩和でお金が余り、同時に超低金利のため少しでも高い金利を求め、先進国の債券でかつ流動性の高い米国債への需要が引き続き高く、一方中国に於いては、その経済成長のスピードが若干遅くなったために元高傾向が止まり、むしろ若干元が安くなっているのでドル買い元売りをする必要がなくなり、同時に様々な事情から中国からの資本の逃避が続いていて、それに対抗するためにむしろドル売り元買いも必要で、これら双方の事情から6年半ぶりの首位交代となった、と説明出来るでしょうか。なんとなくもっともらしい説明です。

しかし実際には微妙な誤差というかアヤの中で、偶々このタイミングで順位が一旦替わっただけでしょう。また来月には替わるかも知れないし、そして長期的にはやはり中国の保有残高の方が伸びていくかも知れません。さはさりながら、この10年間くらいのトレンドの転換がもしかしたら起きているのかも知れないので、このデータは暫く注意して見ていこうと思います。

日本の金融緩和による効果は、国内経済に対しても、世界の中の日本の在り方に対しても、とても大きな影響を及ぼし始めていると思うのです。物価が2%上がらないうちは、金融緩和は続くでしょう。逆にその間が、日本が変われる重要な期間ですね。