さて、2月以来の当社グループ状況シリーズ、本当に本当、今日こそ最終回です。今日は滅多にしない自社の株にまつわる話をしたいと思います。当社グループの株価に、ハッキリ云って私は低いという印象を持っています。しかしマーケットは正しい。マーケットを中心に物事は考えねばならない。この低いと思われる株価から逆に、マーケットはどう考えて当社の株価を算定しているか、そう考えることが正しい考え方だと思います。
当社グループの日本セグメント、即ちマネックス証券だけが単体で上場していると仮定すると、国内同業他社との収益・利益比較からは、当社日本セグメントの時価総額は、きっと当社グループの今の時価総額よりもかなり大幅に大きくなると考えられ、然しながらそこから、当社グループ・アメリカセグメントの今までの赤字額から想定される期待赤字額が差し引かれたものが、今の当社グループの時価総額になっていると考えられます。
つまり、本来は企業グループの時価総額を考えるに、日本の事業・企業価値とアメリカの事業・企業価値を足し算すべきところ、アメリカ事業が赤字であるので、日本の企業価値から何かしらを引いた形になってしまっていると思われます。仮に赤字であってもその企業価値はある訳ですが、それでもこのような計算になっていると思われます。
このいわばヴァリュエーション・ギャップを修正するには、アメリカ事業を黒字化することに尽きる訳で、そうすれば引き算ではなく足し算、日本の事業・企業価値とアメリカの事業・企業価値を足した時価総額に戻っていくことが期待されます。ですから今、株価に関連しては、当社グループの最大のミッションはアメリカ事業の黒字化です。これはこのシリーズで書いてきたように、諸々のアクションや環境変化によって着実に進んでおり、来月から始まる新年度中、そして出来ればなるべく早い段階で実現したいと考えています。
オンライン証券業は、例えば我が国においては必ずしも成長産業とは捉えられていないかも知れませんが、私は当社グループにとっては、日本国内にもアクティブトレーダー層という大きな成長スペースがあり、また中国を中心にグローバルに展開していくことによるこれまた大きな成長スペースがあると考えています。ですからその成長分野に投資を続けています。きっと大きく成長させたいと思います。
マネックスという会社を創って16年になりました。私は原始株主ですが、2000年に旧マネックス証券が上場した際にも一株も売らず、三年間のロックアップを当時の大株主であるソニーさんと共に掛けました。その後一時期株価が低迷した時に、或る株主に頼まれてその保有株を買い取り、その分だけ、東証一部に市場変更した際に売り出しました。その後もずっと当社グループ株は持ち続けています。
昨年春、マネックスグループが静岡銀行さんと資本・業務提携をした際に、静岡銀行さんが少々当社グループ株を買い増すことを望まれ、その時にその分だけ直接譲り渡しました(この内容は全てその時に開示されています)。それだけです。大量保有報告の複雑な仕組みのため、分かりにくい情報が一人歩きすることがありますが、ここに書いたことが、私の当社グループ株式に関する出入りの全てです。
2年前にマネックスグループが自社株買いを行い、その結果%表示の私の持ち分が増え、しかしそれは開示基準を満たさず、そして昨年春に静岡銀行さんに0.5%ほど譲渡し、私の持ち分が減り、しかしこれも開示基準を満たさず、これらを合わせると極僅かの持ち分減少になっていたのですが開示基準を満たさず、然しながら昨秋に私が住所変更をした際に、住所変更自体が開示基準を満たすので、その既に僅かな減少になっていた持ち分表示が開示され、もしかしたらその時にちょっとだけ売ったのではないかとの声も聞かれましたが、そんなことは一切なく、ここに書いた通りの経緯です。
マネックスは私の人生です。これからも私の夢、同僚の夢、お客様の夢、株主の皆さんの夢の実現に向けて、グローバルに成長する金融ベンチャー企業として、しっかりと経営し、成長させていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。