昨晩は、KISSももクロ・コンサートに行きました。KISSのコンサートに行くのは生まれて初めてでした。内容はサイコーでした。何がいいか?ポイントは3つだと思います。1・エンターテイメントに徹していること。2・しっかりと練習していることが、演奏もパフォーマンスも明らかで、ピッタリ合っていること。3・メロディー・メーカーであること。この三要素は、ビジネスにも当て嵌まると思うのです。
先ずはエンターテイメント。要は自己満足ではなく、お客様の満足を第一に考えること。次に練習。プロたる者、どんなに良く知っている作業等でも、絶えず鍛錬に鍛錬を重ね、常に安定した出力を維持し、少しでもベターにする努力を怠ってはいけない。そしてメロディー。これはビジネスに当て嵌めると、サービスが分かりやすいとか、ウェブのデザインがいいとか、なんか心地いいとか、或いは会社のことを覚えやすい・馴染みやすいとか、そんなことでしょうか。これら全て、いいビジネスをしていくために必要なことです。コンサートもビジネスも、主役はお客様。長く続けるための秘訣は一緒ですね。
さて今日は、当社グループの中国でのビジネス展開についてちょっとお話ししたいと思います。中国セグメントでは、先ずは香港にマネックスBOOM証券という、アジアで最初に創られたオンライン証券が、マネックスグループの100%子会社としてあります。この会社は、アジアを中心に12ヵ国の株式市場の株をトレーディング出来るサービスを提供しているのですが、黒字ではありますが現状ではまだまだ小さい状況です。もちろんこのマネックスBOOM証券のビジネスをもっともっと大きくしようとしているのですが、並行して中国本土での個人向けオンライン証券ビジネスを創ろうとしています。
中国での個人向け証券会社ビジネスは、恐ろしいスピードで成長しています。そしてあれだけ広大な国土の中の話なので、オンライン化、オンライン・サービスへの需要は強大であり、かつ急速に拡大しています。然しながら中国当局は、外資による中国本土内個人向け証券会社ビジネスの参入を、とても厳しく制限し、事実上不可能としてきました。中国証券会社の株を外資は3分の1までしか持てない、そして如何なる場合でも経営陣を送り込むことは出来ない、かつ中国証券会社の株をひと株でも外資が持つと、その証券会社は5年間、国内個人向けの株式ビジネスが出来なくなる、などのルールです。
そこで我々は、中国本土内に、当社グループ49%、中国本土の個人向け証券会社51%の、オンライン証券コンサルタントサービスJVを創りました。このJVが、パートナーである中国証券会社にオンライン証券のシステム・プロダクト・マーケティングなどをまとめて案内する。それを使って当該証券会社はオンライン証券ビジネスを展開し、その収益は全てJVに属する。一方、CEPA(China Economic Partnership Agreement)という条約の10番が北京政府と香港政府の間で一年半ほど前に結ばれ、その中で、香港の証券会社は、中国本土にフルライセンスの証券会社を設立でき、その証券会社の株を51%まで持てるようになることが決まったので、いずれこのオンライン証券コンサルタントサービスJVをオンライン証券JVに替えて、マネックスBOOM証券が株主となる。そんな計画を遂行しています。
中国のビジネスは、予見可能性が低く、思った通りに行くとは限りません。しかし放っておくことは出来ない巨大な市場です。こういった形でも、その個人向け巨大成長市場に足掛かりを造っている証券会社は、世界的にも当社グループを除いて殆どいません。これからも慎重に、かつ大胆に、推し進めていきたいと考えています。