今日は桃の節供。身を清めてお祓いをして、ベターな将来を願う日。野山の薬草を摘んで身体の穢れを清める替わりによもぎ餅を食べる。大晦日に形代(かたしろ)に息を吹きかけて炊きあげていただくように身代わりのひなを川に流す替わりに、ひな人形を飾る。そんな風に変わってきた桃の節供は、日本では西暦701年3月3日に初めて行われたそうですから、今日は1315回目のひな祭りになります。長いですね。我が国では、神社・仏閣・季節の行事の歴史を辿ると、1000年以上前から基本的に同じことを繰り返してきていることが多くあります。恐るべし。
その1000年以上の歴史の中で、人の思いは常に一緒だったのでしょうか。うわべの形だけが残って、中身となる思いが忘れ去られると、いずれ形も崩れていってしまうでしょう。思いは大切にしたいですね。しかし西暦701年かぁ。かなり昔だなぁ。この年の9月9日、重陽の節供の日に、あの有名な大宝律令が出来たとのこと。日本の刑法・民法・行政法の始まりですね。そんな歴史にちょっとは思いを馳せ、桃の節供の意味を思い出しながら、今日は過ごしたいと思います。
- 松本 大
- マネックスグループ株式会社 取締役会議長 兼 代表執行役会長、マネックス証券 ファウンダー
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ソロモン・ブラザーズ・アジア証券会社を経て、ゴールドマン・サックス証券会社に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任。1999年、ソニー株式会社との共同出資で株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)を設立。2004年にはマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社(現マネックスグループ株式会社)を設立し、以来2023年6月までCEOを務め、現在代表執行役会長。株式会社東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めたほか、数社の上場企業の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役、Human Rights Watchの国際理事会副会長、国際文化会館の評議員も務める。