私はETIC.というNPOの理事をしているのですが、昨晩はその理事会で議論をしました。その議論のための資料の中で、この20年くらいの若者の意識調査の結果を見ました。20年弱前には一流企業に入りたいと思う者と、起業をしてみたいという者の比率が50%ずつであったのに、最近では前者が65%、後者が34%というグラフでした。或る意味衝撃的です。
しかし私は思ったのですが、一流企業などで働きながらも、100%その時間を会社のために費やさないで、或る程度の時間をボランティアなどに費やしてもいいと思っている人口は増えているのではないでしょうか。専業社会起業家志望者は減っていても、パートタイム社会起業家志望者は増えているのではないでしょうか。優秀な人材の広いネットワークと豊富なリソースを活用しつつ、このパートタイム社会起業家活動を束ねることが出来れば、新しい形でのソーシャル・アントレプルナ-のうねりを創りうるのではないかと、そんなことを思ったのでした。
人々のライフ・スタイルは変わっていきます。私たちのサービスも、こういった変化にきちんと対応していかねばならないとの思いを強くしました。
さて、今日は当社グループのアメリカにおける、ボラティリティや金利との関連以外の、いくつかの状況について説明したいと思います。先ずはビジネスのコアとなる顧客基盤の成長。当社グループ内アメリカ証券会社における顧客預かり資産は、過去10年間で約12億ドルから約37億ドルまで安定的に成長し、その平均成長率は年12%です。成熟したマーケットの中でも、着実かつ力強く成長していることが分かります。これはアクティブトレーダー向けのサービスとしての定評の他に、デリバティブを中心に次々と最新のサービスを投入している結果だと考えています。
加えて、コストカットにも取り組んでいます。昨秋にアメリカにおけるFXビジネスの大部分を売却し、年920万ドルのコストカットをしたのですが、加えて今後数年の間に、エンジニアの配置を替えるなど様々なプランによって、年8百万ドルのコストカットを計画しています。これらを併せると年1720万ドル。これはアメリカビジネスのコストの13%程度に相当します。
更に加えて、韓国の新韓ファイナンシャルグループ、中国の国信証券などに、世界的に評判の高いトレーディングツールの技術供与をし、ライセンスフィーや売買に比例する収益を獲得する、いわゆるB2B2Cビジネスを展開しています。これは韓国・中国以外にもサウジアラビアでも展開しており、更にブラジルなどでも展開を試みています。これら中核顧客基盤の成長、コストカット、B2Bビジネスの展開によって、バランス良く収支の改善を推し進めています。
また長くなってきました。続きは来週以降にしましょう。今週末は大阪で、当社主催のトレーダー向けセミナーが開催されます。また、東証主催のセミナー「+YOU」では私も講演します。忙しい春の週末です。皆さまも良い週末をお過ごし下さい。