土曜日は東京でのお客様感謝デーでした。2000人近いお客様が、天気の良い週末に集まって下さいました。ありがとうございました。手前味噌で恐縮ですが、中身の濃いイベントだったと思っています。更にお客様の役に立てるよう、努力してまいります。さて、そのイベントの中で、日経平均の目標株価についての議論がありました。今年の目標株価ではなく、これから数年間、例えばオリンピックまでの目標株価です。私は、特に年限は定めなかったのですが、当面の目標として、2万5千円と云いました。

今の株価による東証時価総額が、名目GDPの110%。それに対してROE革命によるゲタが10%、量的緩和の継続による効果が10%、名目GDPの成長期待が10%、そしてノリで10%のゲタを履かせて、併せてGDPの150%まで行けるのではないか、それは即ち日経平均で云うと2万5千円。それより上は、実際の名目GDPの伸びに応じて上昇していくのではないかと、そう話しました。果たしてどうなることやら。これからのマーケットに注目ですね。

さて、それではアメリカのビジネスの説明を始めます。先ずは収益の二大柱についてです。一つは明らかなのは、市場のボラティリティにより発生するお客様の株式や先物の売買に伴う委託手数料収入です。日本においては、個人のお客様の売買量は株価の絶対水準に比例するような面が強く、ボラティリティが高くなると却って市場から距離を置く傾向があります。アメリカでは、特に当社のグループ企業であるトレードステーションにおいては、株価水準はほとんど関係なく、市場のボラティリティと同社における売買量がほぼ比例します。因みにこの市場ボラティリティは、ここ数年、史上最低レベルにありましたが、ようやくこの足下でちょっとずつ上がってきたところです。

もう一つの柱は短期金利による運用収益です。これはちょっと分かりにくい話です。トレードステーションでは約40億ドルの顧客預かり資産があります。そのうち株式がザックリ半分、現金が半分弱です。お客様は毎日朝にログインしてきて、この20億ドル弱のお金を使って株や先物のトレーディングを始め、夕方までにはポジションを手仕舞って現金に換えます。我々はこのお金を銀行に預金などしているのですが、営業時間の終わりにはお金が戻って来てるので、銀行から見るとずっとお金があるように見えるので、短期金利に応じてきちんと付利されます。一方お客様は日中そのお金を使ってトレーディングしているので、一般に我々はお客様に対しては付利しません。或いは少ししか付利しません。この差額が金利収支となります。2006年には、この金利収支だけで約4千万ドル、即ち約40億円の金利収支、税前の利益を上げていました。御存知のようにアメリカの短期金利はほぼゼロにまで落ちてしまい、この仕組みから来る金利収支がほとんどなくなってしまっています。しかしこれまた御存知のように、遂にアメリカでは短期金利を引き上げることが議論されているのです。

当社グループのアメリカ・ビジネスの収益を支えてる二大柱のどちらもが、今史上最低レベルの環境にあり、しかもどちらもが、今まさに回復しようとしているのです。長くなってきたので、この続きは明日以降にまた書きたいと思います。