前回の本欄(13年2月13日更新分)では、近年のドル/円の価格推移には大よそ11~13ヶ月ごとに主要な高値をつけるパターン(サイクル)が認められることを確認しました。近過去において主要な高値をつけたのは12年3月15日ですから、その11~13ヶ月後にあたる2月半ば~4月半ばという時間帯のなかで一旦、次の主要な高値をつけに行くという見方もできるのではないかということです。もちろん、その時期が4月半ばあたりとなることも十分あり得ます。つまり、いま暫くドル/円の中期的な上昇が続く可能性もあるということになります。
ここでもうひとつ、以前に本欄で確認したドル/円の「45~50週(安値)サイクル」を思い出してみてください(12年12月19日更新分)。それは、過去のドル/円の価格推移には大よそ45~50週ごとに主要な安値をつけるパターン(サイクル)が確認できるというもので、近過去において主要な安値をつけたのは12年9月13日のことですから、今週はあれから23週目のちょうどサイクルの「中間点」に差しかかったところということになります。つまり、そろそろサイクルの山の頂点をつけてもおかしくない時間帯に突入しているということです。
しかし、以前も本欄で指摘した通り、上げ基調が強いときの山の頂点は向かって「右寄り」になる(ライト・トランスレーションと称されます)という特徴があり、時間的な中間点である23~25週目よりも後の時間帯になると考えることができそうです。仮に、それが30週目あたりであったとすれば、やはり4月半ばあたりということになります。
これらのことを考え合わせると、この2月半ばというのは過去の主要な高値から11カ月目であると同時に、過去の主要な安値から23週目にあたり、ある意味ではそろそろ次の主要な高値をつけてもおかしくはない時期にあたりますが、もう少しその時期が先延ばしされる可能性も十分にあるということになります。そして、あくまでテクニカルな分析の観点からすれば、その時期が4月半ばあたりにくると一番しっくりくる(説明がつけやすい?)ということになるのです(下図参照)。
いましばらくドル/円が中期的な上げ基調を続けるとした場合に、目先注目しておきたいのは、ひとつに12年11月半ば以降、長らくドル/円の下値を支えてきた21日移動平均線(21日線)が今後も下値支持として機能し続けるかどうかという点です。この21日線のサポートが破られない限り、なおも上値を試す展開は続くと判断されることになるでしょう。また、一段の上値を試すとするならば、まずは10年5月高値の94.98円を明確に上抜けるかどうかという点も目先のポイントということになります。
なお、仮にこの94.98円レベルを明確に上抜けてきた場合、次の上値メドはどのあたりになるのかという点については、いずれまた時期を見て本欄で取り上げることにしたいと思います。
コラム執筆:田嶋 智太郎
経済アナリスト・株式会社アルフィナンツ 代表取締役