マイクロソフト(MSFT)の株価は決算発表前より高い水準に

先週末のNYダウ平均は6日続伸。S&P500やナスダックを含めた米株高の流れが、市場でリスク選好のドル売りを誘っています。米主要企業の決算発表が相次ぐなか、その結果は様々ながら、全体としては米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース縮小や中国の経済再開などへの期待が米株価を下支えする格好となっている模様です。

今週は2月1日のメタ・プラットフォームズ(META)を皮切りに、2日はアップル(AAPL)やアマゾン・ドットコム(AMZN)、アルファベット(GOOGL)とGAFAの決算が出揃うため、その結果と市場の反応次第といったところもあるでしょう。

先に発表されたマイクロソフト(MSFT)の決算に対しては、市場が一旦失望の反応を見せたものの、ほどなく急速に買い戻され、週末にかけての株価は決算発表前よりも高い水準まで値を上げることとなりました。

また、先週は日経平均株価も米株価の堅調な値動きにつれて、一時2万7500円処まで大きく値を戻す場面がありました。そうした強気のムードが継続するかどうかが、今週の大きな焦点の一つになると見られます。

米利上げは3月で一旦打ち止めとなるか

もちろん、最大の焦点は米連邦公開市場委員会(FOMC)と言いたいところですが、今回は利上げ幅を0.25%に前回分から縮小することが確実視されているうえ、パウエルFRB議長も突っ込んだ発言はしないと見られており、ほぼ“無風”で通過する可能性も十分にあると思われます。

そうなってくると、より重要視されるのは今回のFOMCを通過した後に「米利上げが3月も0.25%に留まり、それで一旦打ち止めになる」との見方が市場で一層強まるかどうかという点でしょう。

1月25日にカナダ中央銀行が利上げ停止を示唆したことの“残像”が今も残るなか、2月2日に行われる欧州中央銀行(ECB)理事会の結果や2月3日に発表される1月の米雇用統計の結果などが、市場のムードを一変させるほどのインパクトとなるかどうかについても、しっかり確認したいところです。

前回(12月)分の米雇用統計は非農業部門雇用者数(NFP)の伸びこそ、予想を上回ったものの、注目の「平均時給」が予想を下回る伸びに留まったことから、米ドルは一旦強く売り込まれることとなりました。賃金インフレの減速が確認され、FRBの金融引き締めが長期化するとの懸念が和らぐ格好となったわけですが、今回もその減速傾向がなおも続いているかを確認することは非常に重要です。

ガス価格の大幅低下でユーロへの楽観視が強まる

また、ECB理事会については、市場で「タカ派寄りの結果になる」との見方が強まっており、足元ではユーロ/米ドルが強気の展開を続けています。やはり、ユーロ圏における予想外の暖冬とそれに伴うガス価格の大幅低下が大きいと見られ、市場ではユーロに対する楽観的な見方が以前よりも強まっているようにも思われます。

その結果、先週のユーロ/米ドルはついに一目均衡表の週足「雲」上限に達する場面があり、目先は同水準で上値を押さえられるかどうかが重要な焦点の一つとなります。仮に同水準を上抜けると、いよいよ1.10ドル処の大きな節目が意識されることとなり、それにつれてユーロ/円が上値余地を広げた場合、それがドル/円の下値を支える役割を果たすかどうかという点にも注目しておきたいところです。

米ドル/円、下値は127円台前半水準で支えられると予想

一方の米ドル/円は、21日移動平均線に上値をガッチリと押さえられ続けています。また、昨年11月下旬から形成されている下降チャネルの上辺も上値抵抗として意識されている模様です。

このことから、当面の米ドル/円は21日移動平均線とチャネル上辺の節目をクリアに上抜けないかぎり、上値の重い状態が続くと見られます。なお、下値は今後も127円台前半の水準で支えられやすいと見ておくのが適切であると思われます。