週末に、何年か振りに酉の市に行きました。小さい時に連れて行ってもらった鷲(おおとり)神社は、とにかく圧倒的な人のうねりとまばゆい明かり、そして当時はまだ街灯も少なくてひとたび外に出ると暗い闇が拡がっていて、幻想的な大人の世界と感じた感覚を今でも克明に覚えています。あれはもう40年以上も前のことでしょうか。以来、鷲神社の酉の市は一、二回行った記憶がありますが、阿波踊りの演舞場に侵入した時のような雰囲気と風景は格別です。
今年は二の酉までで、かつ三連休の初日だったので、とても混んでいた気がしますが、横から入って横から出る(違反行為はしていません)ことで効率良く雰囲気を味わい、熊手を購入することもできました。この熊手、いざ部屋に飾ろうとすると、中々困ります。柱がないのです。かつて柱のあった日本家屋に合わせて作られたものは、熊手以外にも多くあります。国技館の土俵の屋根が今は吊られているように、ピクチャーレールなどから吊るべきか、支柱を作って立ててそこに取り付けるか。日本の住居にむき出しの柱が復活することはまず考えられないので、熊手の類いもいずれ変態を起こしていくかも知れません。まぁしかし今の形を守りながら、無理をして取り付けていくのがいいのでしょう。

熊手は一度飾ると来年も飾ろうという気になるので、一回買うと必ずハガキの送り先住所を聞かれます。当たり前ですが、上手い商売です。その術中にまんまと飛び込んで、毎年飾っていきたいと思います。