各所のホームページ上の情報等によると、都内の有名花見場所は軒並み自粛、即ち桜祭り等の中止・露天商なし・ライトアップなしとのこと。電力事情を考えると、ライトアップなしは当然のように思えます。一部報道によると、都立公園では基本的に、天日の下での飲食を伴う花見は完全には禁止しないが、盛り上がるとガードマンが自粛を促す方針のようです。
上野公園の来園者の反応は、こういう時だからこそ盛り上がりたかったという反応と、自粛は当然という反応が半々だったとのことです。今日は半々ですが、もう少し日にちが経つと、自粛しない方が却っていい、という考え方の人が増えてくるのではないかと私には思われます。
ニューヨークタイムズ紙は、この自粛の動きは経済の大きな部分である(GDPの60%を占める)個人消費を抑え日本経済に影を落としかねない、と指摘し、また「自粛すれば良いことをしていると考えがちで、そのような自粛が最終的にどのような違い(効果)を生むのかまでは考えられていない可能性がある」との関西学院大学の教授のコメントを引用しています。
一方経団連は電力に関して、一日を通しての総電力需要を下げるのではなく電力需要ピークを下げることが大切であり、一方で生産ラインは数時間電気が止まるならば丸一日ラインを止めねばならないケースもあり、民間企業の間で、日にちを決めて順番に操業をするとか、或いは夜間操業を組み込む等して、効果的な「ピークを下げて需要を平均化する案」を自主的にまとめようとしているようです。電気はそもそも蓄電することが大変難しいですし、経済活動との関係で考えても、計画停電よりも合理的で建設的な考え方だと思います。
このテーマに関しては、上記の上野公園来園者の反応が半々であることからも明らかなように、正に意見が分かれる点であることは重々承知しています。私の意見を強く主張しようとは思いません。決して忘れるのでも目をそらすのでもない。しかしどのように前向きに進んでいくかを考えないといけないと、私は思っています。