5回シリーズは長いですね。今日あたりは他にも書きたいことがいくつかあるのですが、乗りかかった船なので、最後まで書き切ってしまおうと思います。
昨日までの4回で、日本が公的金融から抜け出せない状況、個人金融資産の中身には不安がある状況、一方日本の個人投資家はとても優秀で、しかし或る意味その結果、預金等との比較で云うと株はあまり買われていない状況を説明してきました。この流れの帰結として、「ならばトレーディングをするか」と考える人が多く現れます。これはとても自然な流れだと思います。
優秀な個人が、今さら国に更にお金を貸すことを改め、また優秀であるが故に、株式の長期保有に疑問を持つ場合もあり、そこでトレーディングもしてみようと考える。しかしここでトレーディングに関して規制が強くなりすぎると厄介です。以前から何度も書いているように、流動性は、それ自体に価値があります。規制は流動性を阻害しがちです。もしマーケットの流動性まで奪われてしまうと、個人投資家は何も出来なくなってしまいます。
そうすると、日本は公的金融に過剰に依存している体制からいつまで経っても抜けられなくなってしまいます。こうしてお金は睨み合ってしまい、血流が悪くなり、経済も停滞してしまう。そして税収が減り、更に公的金融に頼らざるを得なくなり・・・。どこかでこの循環を断ち切らねばなりません。切り込むポイントは、いくつもあると思います。私たちの国の未来のために、この問題はちゃんと取り組んでいかねばなりませんね。