私は時代劇が好きなのですが、或る時、某社員に「エッ!社長、時代劇”なんか”好きなんですか?!あんな権威主義的なものを(と云ったかどうかは覚えてませんがそのような意味のことを)。信じられない!」と云われて以来、なんとなく後ろめたさがあって遠ざかっていました。

『リベラル・改革』を謳っているようで、実は心のどこかで守旧派的な要素があるのではないかと恐くなり、或いはそう云うものがあることを見透かされた気がして、敢えて目を背けたのでしょう。しかしやはり好きなのです。この年末年始、久し振りにいっぱい時代劇を見てしまいました。テレビで、「時代劇専門チャンネル」で、DVDで。あー、面白かった。時代物の小説も随分読んでしまいました。

しかし自己分析してみると、別に『権威』が好きな訳ではないのです。山田風太郎の愛すべき下らない小説や、市川雷蔵の娯楽物やアクションなんかもとにかく面白いので、要はなんでもいいから『時代劇』が好きなのであって、敢えて云うなら服装とか、言葉とか、ちょっとした仕草のしきたりとか、そんな所に興味が行くようです。『権威』志向ではないと知って安心し、更に見耽ってしまいました。今は気になることがあると、映画を見た後にすぐにインターネットで調べることが出来るので、楽しみは倍増します。

しかしまぁそんな所に興味を持ってしまうこと自体が、老化現象でしょうかねぇ。若々しい物も見て、意識的に中和を図っていきたいと思います