東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は5日ぶりに反落となりました。前日の米国市場にて主要3指数が揃って下落したことを受けて225円安の39,624円で寄り付いた日経平均は、その後も軟調に推移しました。前場は一貫して下げ幅を拡大する展開となり、前引け前の11時11分には601円安の39,247円まで下落し、本日の安値をつけました。安値からは反転し、前場は488円安の39,360円で取引を終えました。
後場の序盤は39,400円を挟んで一進一退に推移しました。主だった材料に欠ける中で、上値は重く後場の後半は39,400円から39,500円台のレンジで推移し、最終的には378円安の39,470円で大引けとなりました。
新興市場は東証グロース250指数が0.5%高で続伸となりました。
2.個別銘柄等
王子ホールディングス(3861)が11.2%高と急伸し4日続伸となりました。前日12日に2026年度末までに1,000億円の自社株買いを実施する方針を発表したことで、株主還元の拡充を評価した買いが入りました。
バンダイナムコホールディングス(7832)は一時9.1%高をつけ年初来高値を更新し、続伸で取引を終えました。KADOKAWA(9468)と共同開発する新作ゲームを発表したことで、業績貢献の期待が膨らみ買いが集まりました。同じくしてKADOKAWAも一時4.1%高をつけ年初来高値を更新し続伸しています。
カシオ計算機(6952)は国内証券による投資判断と目標株価の引き上げを背景に1.8%高、先週から10連騰で取引を終えました。足元では10月に明らかとなった不正アクセスの影響の不透明感が株価の重荷になっていましたが、悪材料の出尽くしと判断されたことで買いが続いています。
ネット印刷通販のラクスル(4384)は20.6%高で、3日ぶり大幅反発となりました。終値でも東証プライム市場で、上昇率トップで引けています。前日12日に発表した第1四半期決算では、営業利益が前年同期比79.7%増の9.7億円と大幅増益となり、本業の好調ぶりを評価した買いが殺到しました。また、最大7億円の自社株買いを発表したことも株価を支えました。
リードフレームやモーターコアメーカーの三井ハイテック(6966)は6.8%高となる大幅反発で取引を終えました。前日12日に発表した第3四半期決算にて、純利益は前年同期比20.3%減の93億円と減益となる決算内容であるも市場予想を上回る内容であったことが買いを誘いました。
その他の銘柄では、防衛強化のための財源として所得税を引き上げる時期を先送りしたと伝わったことで防衛関連銘柄が軒並み下落しました。三菱重工業(7011)は4.1%安、川崎重工業(7012)は3.2%安、IHI(7013)は5.2%安で取引を終えています。西武ホールディングス(9024)は東京ガーデンテラス紀尾井町の売却を正式決定したことと併せて最大700億円の自社株買いを実施するとしたことで2.9%高、4日続伸となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は、週間で約1%上昇し取引を終えました。昨日まで4日続伸となっていたことから、いったんの利益確定売りが出された模様です。来週に向けて、日米ともに中銀ウィークであり、両国の金融政策方針に注目が集まります。
米国では利下げが確実視される中で、日本は足元では1月の利上げに傾いているも12月の利上げ実施も捨てきれない状況であり、来週19日の植田総裁の記者会見に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)